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【ドラニュース】

【龍の背に乗って】「研究されている」 人生の分岐点・・・加藤よ引き下がるな

2019年5月19日 紙面から

5回表を終え、伊東ヘッドコーチ(右)の話を聞く加藤(今泉慶太撮影)

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 先に交代を命じられたのは、投手の柳ではなく捕手の加藤だった。3イニング5失点。4回の守りからマスクをかぶった大野奨は柳との3イニングを含め、4イニング無失点。複数の関係者が「配球の負け」と口にした。

 「(加藤は)悩んでいるしぐさが、投手にも伝わってしまう。奨太は返球もパンパンするし、どんどん投げてこいという感じ。すごくリズムが良かった」

 与田監督の捕手評である。敗戦を決定付けたのは3回の3失点。山本に死球を与え、坂本勇にはフルカウントから2球ファウルをはさんで、歩かせた。丸にもフルカウントから痛打を浴びた。この間、フルカウントから投げた計4球すべて、走者はスタートを切っていた。加藤バズーカもお構いなし。経験の浅いバッテリーは、徹底的に揺さぶられた。

 同じ球種を要求しても、確固たる根拠に基づいて捕手が出したサインと、半信半疑で出しているサインの違いを、投手は察知する。丸でいえば、カウント2−2からのチェンジアップを見切られた時点で、勝負は決していた。四死球でつくった一、二塁。このバッテリーがボールになる変化球を投げてくるはずがない。2年連続リーグMVP男は確信して待ったストレートを、右翼フェンスまで飛ばした。

 「サインは(ためらわず)出せているつもりですが、僕が警戒し過ぎているのは伝わっているんだと思います。相手に研究されているという思いがあって・・・。結局は真っすぐしか投げられないカウントにしてしまいました」

 対戦も3巡目に入った。序盤は情報が少なかった加藤も、丸裸にされつつある。見られている。読まれているという恐怖感。加藤はプロの世界に足を踏み入れた。今度はその上を行ってこそのプロ野球。試合が終わり、誰よりも遅く愛車のドアに手をかけた。彼の人生の分岐点。育成のために負けてもいいとは思わないが、ここで引いては育成も勝利もない。

 (渋谷真)

 

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