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【ドラニュース】

【龍の背に乗って】伝説の球場でしのぎ削ったライバル

2019年3月17日 紙面から

投内連係でノックする赤堀投手コーチ(今泉慶太撮影)

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 沢村栄治がベーブ・ルースに立ち向かい、長嶋茂雄が現役最後の勇姿を見せた草薙球場で、しのぎを削ったライバルがいる。静岡高の赤堀投手コーチと富士宮西高の佐藤チーフスコアラー。1970年生まれの同学年で、当時は「静岡ナンバーワン投手」の座を競っていた。

 「静高がず抜けて強かった。とにかく赤堀に勝たなくちゃ甲子園はない。そう思っていました」と話す佐藤は、2年のセンバツで同校史上初の甲子園の土を踏んだ。「佐藤は投げてもすごかったけど、打ってもよかった」と警戒していた赤堀は、2年夏に甲子園に出た。どちらが1番か、雌雄を決するはずだった最後の夏。赤堀はまさかの初戦敗退に終わった。

 「ここで負けたんです。(決着は失策だが)打たれた僕が悪い。高校のころは広く感じたんですけどね。悪いことで終わったけど、めっちゃ好きな球場です」

 最強のライバルがあっけなく消えて、佐藤は浜松商との決勝まで進んだ。いわく「静岡で高校野球のアンケートを取れば、必ず1位に選ばれる」という名勝負。延長13回、ついに佐藤の本塁打で勝ち越した。しかし、その裏に2点を失って、見えていた甲子園は逃げた。

 「赤堀もサヨナラ。僕もサヨナラ。最後の打席でホームランを打って、試合には負けて。思い出の地ですよね」。その秋のドラフトでは上位指名確実と見られていた佐藤が漏れ、赤堀は4位で近鉄に入った。異例の「指名されなかった会見」を行った佐藤は「あのとき指名しておけばよかったと言われる選手になります」と話し、その通り4年後に中日の1位指名を勝ち取った。

 草薙の黒土に悔し涙が染み込んでから31年。縁とは奇なるもので、高校時代は練習試合で投げ合うことさえなかったのに、今季から手を携え「昇竜復活」に取り組んでいる。この日は静岡で投打にベストゲーム。48歳になった2人は軽く握手をかわしていた。

(渋谷真)

 

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