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【田村尚之のロジカルゴルフ】

長いパー3はボギー上等 「ベストだけを求めない」難しいホールの攻め方

2018年3月1日 紙面から

 三重県いなべ市にある涼仙ゴルフ倶楽部の12番パー3は、バックティーから打つと、182ヤードの距離があります。さらに右から奥にかけては池、左はバンカーが連なるというレイアウト。グリーンは奥にかけて3段グリーンと、コース屈指の難易度をほこります。おまけにこの日は強い西風が逆風となって吹いていました。田村尚之プロは、この距離の長いパー3をどうマネジメントして、攻略するのでしょうか。 (取材・構成 青山卓司)

3段グリーンと逆風

屈指の難易度を誇るパー3。飛距離が落ちる冬は特に難しい

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 景色の美しさで、定評がある涼仙ゴルフ倶楽部。「きれいなバラにはとげがある」という格言通り、どのホールもよく考えて設計されており、攻略は簡単ではありません。

 特にこの12番パー3は、ティーグラウンドに立っただけで、その難易度の高さがわかります。ティーショットからは池越えになり、距離は182ヤード。グリーンまで打ち上げ。実はこのホール、左に林があるから見た目ではわからないのですが、大きな池の中にグリーンがあるレイアウトになっています。だから奥までずっと池が続きます。

 つまり、右に打ってしまったら、即OBということです。目を左に転じると、左にはずっと林。グリーン左手前にバンカー、奥にも大きなバンカーが口を広げています。右に打ったらOB、左に打ってショートをしたらバンカーに入ります。しかもこの日は強烈な逆風が吹いていました。グリーンは手前から3段のグリーンになっています。手前に乗せたら相当な距離のパットが残るということです。

挽回のチャンスある

 攻略法を順番に考えていきましょう。まず(1)どこに打つかです。右はもうOBだから打てません。さらに左から右への逆風があるから、それも計算しないといけません。つまり左方向。できたら左バンカーの上がベストです。ここなら、よほどのスライスがかからない限り、池までいくことはありません。このホールのマネジメントは、ピン位置がどこにあろうと、打つべき方向は左ということです。ピンをデッドに狙って右めに打つというような欲を出すと、大変なことになります。この方向なら仮にミスショットをして、バンカーに入れても、少なくとも第2打を打つことはできます。

涼仙ゴルフ倶楽部12番 狙い目はグリーン左のバンカー。ピン位置に関係なく、バンカーに入ってもいいから、左に打つ

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 (2)次に番手です。182ヤードですが、打ち上げになっていて、しかも逆風。わたしは普段200ヤードの飛距離が出るユーティリティーを選択しました。冬ですから、これでももしかしたら届かないかもしれません。しかし、このホールでは打ちすぎるよりも、ショートがいいのです。その理由はグリーンの形状とレイアウトにあります。グリーンは3段になっています。仮に打ち過ぎてグリーン奥までボールがいった場合、最悪池に入ります。そこまでいかなくても、林に入ってしまったら、下りの寄せになり、相当に難しいです。そこで打ち過ぎたら、今度はグリーンの下まで落ちてしまうことも十分、考えられます。

 難しいホールの攻略法で大切なのは、ベストを求めないことです。最高のショットばかりをイメージすると、失敗した時に取り返しがつかないことになります。

 このホールはボギーでもいいと思って攻めるマネジメントが必要なのです。200ヤードのユーティリティーを持って失敗しても、バンカーショットで挽回するチャンスはあります。林に入れて難しい寄せを打つよりはボギーで切り抜けられる可能性が高いのです。

プレッシャーは消す

 (3)最後に打つ時の心構えです。やっかいなのは、プレッシャーです。足元から続く池を見ると、チョロもできません。プレッシャーでさらに動きが硬くなってしまいます。そんな時は視線からプレッシャーになりやすいものを消します。右は見ません。狙う方向だけに集中して、ボールを打つ。ネガティブなことを考えない。打つべき方向だけを考えて、打っていってください。

 (田村プロが、ティーショットを打った。狙い通り、バンカーを越え、その先に落ち、左から右への傾斜によって、ピンに向かって転がっていった)

 バンカーに入ってもいいくらいの気持ちで打ったら、ベストショットになりました。

 ▼田村尚之(たむら・なおゆき) 1964(昭和39)年6月24日生まれ、広島県廿日市市出身の53歳。172センチ、65キロ。ゴルフが趣味だった父の影響で3歳から始める。修道中では関西ジュニア優勝。修道高を経て、東京理科大卒。マツダに就職し、本格的にゴルフ競技を再開。2001年に鉄工関連の会社に転職。07年日本アマ準優勝。13年のプロテストに合格し、14年からシニアツアーメンバーとなる。16年富士フイルムシニアチャンピオンシップでツアー初勝利を飾った。

 取材協力 涼仙ゴルフ倶楽部(三重県いなべ市員弁町東一色2796)(電)0594(74)5110

(毎週木曜日の紙面に掲載)

 

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