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【田村尚之のロジカルゴルフ】

練習するならラウンド後 シニア最強マークセンもスタート前は打たない

2018年1月25日 紙面から

プレー前の心構え 大事なのはクラブを振れる体の準備!

 今週はラウンド前の練習と心構え、ラウンド後にやるべきことを、田村尚之プロがわかりやすくレッスンします。アマチュアゴルファーはラウンド前にしゃかりきになって打ちますが、プロが重視するのは、むしろラウンド後に何をするか。いつもと少し発想を変えて、プレーをしてみようじゃありませんか。

 (取材・構成 青山卓司)

「タムちゃん体操」の一部。(上)肩を入れる。両手を前に出して、体重をじわりかけていく。5秒から10秒。反動をつけて行ってもいい(下)脚を開いて、伸ばす。真っすぐに伸びている方の脚全体を伸ばすように意識する

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当日の矯正はムリ

 期待と不安で胸をいっぱいにして、到着したゴルフ場。スタートにはまだ余裕があります。「よしっ、打つぞ」なんて張り切って、40球も50球も打っている人、いますよね。あまりいい練習ではないと思います。わたしのラウンド前の準備は、まったく逆です。アマチュアゴルファーにも、ぜひ試していただきたいラウンド前のルーティンを紹介します。

 ラウンド前の練習で、一番大切なのは、本番でちゃんと打てるようになるための準備です。スタートホールから、ちゃんと振ることができるかが肝心です。ですから、コースに来たら、まずはストレッチです。ロッカールームの長いすでやってもいいし、風呂場を使えるのならより本格的にできます。昨年の11月16日付のレッスンで、わたしが実践している「タムちゃん体操」を紹介しました。あれなら満遍なく筋肉や関節をストレッチできます。特に股関節周り、肩甲骨周りの柔軟性には気をつけて、入念にしてください。

 終わったら、コーヒーでも飲みながら、スコアカードやコースレイアウト図でコースの攻略法でもイメージするのがいいですね。

(上)最強のシニアプロと言われるプラヤド・マークセン。ラウンド前に打つことはない(下)練習では、疲れるほど振らない。軽く何球か打つ程度にしておく

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ストレッチの延長

 練習場で何十球も打つ必要はありません。出球を確認するためと、ストレッチの延長で何球か打つのはいいのですが、スライスが出るからといって、その場で直そうなんて思わない方がいいです。そんなことをするくらいなら、スライスのままコースに出たほうがずっといいと思います。スイングの矯正は、そんな付け焼き刃で何とかなるものではありません。長い時間をかけ、ちゃんとした方向性があって初めて成功します。フックやスライスが出るなら、「きょうはそういう日」と割り切ってラウンドをするのです。

 プロでも調子の悪い日はあります。でもスコアはアマチュアほど極端に悪くなりません。悪い時に、悪いなりのプレーをする練習をしているからです。調子の悪い時こそ、極端にスコアを崩さずにラウンドするためのチャンスだと思ってください。それができるようになると、あなたのラウンド力は、相当にレベルが上がります。

 ラウンド前に球を打たないプロは、私のほかにも何人かいます。最強のシニアプロと言われるタイ出身のプラヤド・マークセンも、その1人です。マークセンは軽くどころか、まったく打ちません。かつて真剣に打ちすぎて、ラウンド前に疲れてしまった経験があるそうです。打ってもいいのですが、あくまでも軽く、クラブが振れる準備くらいの心構えでいいと思います。

パットの練習は、グリーンの速さの確認と「入れぐせ」をつけるために真剣に

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「入れぐせ」つける

 次にパットです。まずはその日のグリーンの速さをロングパットで確認します。上り、下りを10メートルほど。自分の中の感覚とどう違うのかを確かめます。1メートル程度の距離を打つのもいいですが、私は50センチの距離を大切にします。最後は必ず50センチの距離を何回か入れて、終わりにします。

 50センチの距離って、要するに「OK」の距離です。でも競技に「OK」はありません。必ず入れなければいけない。でも普段50センチを「OK」してる人は、いざ競技になると50センチって難しいと感じるはずです。絶対に入れなければいけない距離ほど、プレッシャーがかかります。だから真剣に、絶対に入れるという気持ちで打ちます。特に下りや斜面の横につけた時の50センチの練習は欠かしません。カップに入れて、いわゆる「入れぐせ」をつけて、スタートホールのティーグラウンドに行くようにしています。

いい感覚 体に刻む

 これがわたしのラウンド前のルーティンです。結論としてはラウンド前は、あまり入れ込みすぎないのがいいでしょう。それよりも、ラウンド後の練習に私はアマチュア時代から力を入れています。特に調子が良かった時のラウンド後は、その調子のいい感覚を体に刻みこもうと、必死になって練習をしました。調子のいい時こそ一生懸命練習して、調子のいい時のスイングを体に覚え込ませるのです。調子の悪い時は何もしない。その時に練習しても「下手を固める」だけですから。ラウンドでだめだったら、さっさとあきらめる。良かったら必死で練習する。これをぜひ実践してください。

取材協力 森永高滝カントリー倶楽部(千葉県市原市古敷谷1919)(電)0436(96)1351(予約専用)

 ▼田村尚之(たむら・なおゆき) 1964(昭和39)年6月24日生まれ、広島県廿日市市出身の53歳。172センチ、65キロ。ゴルフが趣味だった父の影響で3歳から始める。修道中では関西ジュニア優勝。修道高を経て、東京理科大卒。マツダに就職し、本格的にゴルフ競技を再開。2001年に鉄工関連の会社に転職。07年日本アマ準優勝。13年のプロテストに合格し、14年からシニアツアーメンバーとなる。16年富士フイルムシニアチャンピオンシップでツアー初勝利を飾った。

(毎週木曜日の紙面に掲載。紙面では他に「ドクター湯浅のスポーツサイエンス」も掲載しています。)

 

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