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【Penペン草紙】

41歳中村俊輔が『DIY』で魂を吹き込むお手製スパイク「ホームセンターで工具を買ってきて…」 超一流であり続けるには理由がある

2020年2月14日 18時0分

複数のスパイクを持って移動する中村俊輔

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 まるで求道者のようだった。

 横浜FCの元日本代表MF中村俊輔(41)は宮崎・日南キャンプに12足のスパイクを持ち込み、練習メニューごとにピンクやブルーなど色とりどりのスパイクを履き替えていた。

 「趣味だよ。飽きちゃうから、こういうので楽しめるようにね」

 中村が直接FKで挙げたゴールはJリーグ歴代1位の24得点。その魔球を生み出す「商売道具」に対して、誰よりも強いこだわりを持っている。汗を吸ったスパイクが精密なキックに微妙な影響を及ぼさないよう、中村が前後半でスパイクを替えるのは有名な話だ。

 さらに、今キャンプで使用していたスパイクは、まさかの”お手製”だった。

 「ホームセンターで工具を買ってきて、グイッーンって(笑)。自分で削るよ」

 中村が手にしていた固定式スパイクは、スタッドが1センチ弱と驚くほど低い。「足首の軟骨はもう治らない。医者にも『いまある”資源”で頑張ってください』って言われているから」。慢性的な痛みを抱える両足首への負担、ダメージを少しでも軽減しようと、中村自ら電動工具で樹脂製のスタッドをあえて低く削っているという。

 中村クラスの選手であれば、契約メーカーが細かなオーダーに応じてスパイクを提供してくれる。にもかかわらず、だ。「古いのを引っ張り出してきたり、ジュニアの人工芝用のスパイクを履いたりね。楽しいよ」

 サッカーに情熱を注ぎ、スパイクに魂を吹き込み続ける―。中村が一流ではなく、超一流であり続ける理由の一端だろう。

 J1に復帰する今季、ジーコ(鹿島)が1994年に打ち立てたJ1最年長得点記録(41歳3カ月12日)を更新した瞬間には、部屋で工具を握ってスタッドを削り、理想のプレーを思い描きながらスパイクを磨いている偉大なレジェンドの姿をちょっとだけ思い返してみてほしい。(松岡祐司)

 

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