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【Penペン草紙】

インカレの氷上で見せた感謝の舞 すべてをかけた4年間の思い フィギュアスケート 磯辺ひな乃

2020年2月10日 18時0分

磯辺ひな乃

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 会場の外は極寒の風が吹いていたが、リンク上は熱気に包まれていた。1月7日まで北海道・釧路市で行われた日本学生氷上競技選手権(インカレ)のフィギュアスケート。出番が終わった選手がリンクサイドで声をからし、高難度のジャンプには壁をたたいて歓声を上げる。なぜ、ここまで熱くなれるのか? 競技人生の分岐点を迎える4年生が多く出場しているのが一因であるだろう。

 女子の磯辺ひな乃(22)もそんな一人だった。中京大のメンバーとして出場。「みんなに対して何をしたというのはないですけど」と言うものの、最上級生としてスケート部を引っ張ってきた。3月で卒業するため今回が最後のインカレだった。フリーを終えた後は「最初に跳んだ3回転ルッツ―3回転トーループを失敗しちゃって…」と苦笑いしていたが、今できる精いっぱいの演技ができたせいだろう。納得の表情を見せていた。

 一見すれば華やかそうに見えるフィギュアスケートの世界。でも、さまざまな人のサポートがなければ、第一線で競技を続けられないという。両親、日ごろの練習を見てくれるコーチ、リンクで励ましてくれるスケーター仲間―。鍛錬の成果を表現するリンクは、そんな人々に向けた感謝を示す場でもあるという。

 「スケートを続けるため、いろいろな人の助けをいただきました。ここまで育ててくれたコーチの先生、両親には返しきれない感謝の気持ちがあります。インカレでもスケートをする仲間の声援が力になりました」

 インカレを10位で終えた磯辺は今月行われた八戸国体を最後に、小さい時から続けてきた競技生活に区切りをつけることにした。そこで、大学の後輩たちにかけたい言葉を聞いてみた。穏やかな笑みが最上級生らしい責任感のこもった表情に変わった。

 「中京(大)はすごく練習の環境がいいと思うんです。そのリンクを使わせてもらうからには、練習をさせていただくことへのありがたみを感じてほしいです」。聞き終わった瞬間、一番好きだったというフィギュアスケートに全てをかけた4年間があるからこその言葉なのだと思えてならなかった。 (川越亮太)

 

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