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【Penペン草紙】

「笑わない男」稲垣も称賛 ラグビーW杯に出場できなかった木津の存在感

2019年10月28日 18時0分

「笑わない男」稲垣も称賛した木津悠輔

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 悔しさは表に出さず、「らしさ」を貫いた。ラグビーW杯日本大会を史上最高の8強で終えた日本代表で、プロップ木津悠輔(23)=トヨタ自動車=は全5試合でメンバー外だった。今年に入って初めて代表合宿に招集され、一気に代表を射止めたが、W杯出場はならなかった。

 対戦国のスクラムを事前に分析し、練習では「対戦国のコピー」となって相手役を務めた。練習で対峙(たいじ)した「笑わない男」ことプロップ稲垣から、強さを増していると称賛された。1次リーグのスコットランド戦の翌々日、「僕たちが良いプレッシャーを与えると、メンバーに良い影響を与えられる」と語る姿は、信念の塊のように見えた。

 中学まで剣道に励み、ラグビーでは無名の大分・由布高で競技を転向。同校ラグビー部で指導した三浦芳弘さん(現・大分工高)は「木津を語る上で人間性、キャプテンシーは外せない」と振り返る。三浦さんや選手の総意で主将となり、口数は少なくとも、行動で部員を引っ張った。

 三浦さんは、木津の「頑固」な一面を覚えている。高校2年まで、卒業後の進路希望は「消防士」。腕を見込んでラグビーを続けるようしきりに説得しても、なかなか首を縦に振らなかった。

 それでも2年時の全国高校ラグビー選手権大分県予選を境に、木津自ら「大学に行きたい」と進路変更を決意。天理大で、それまでのナンバー8からプロップに転向し、世代別の日本代表にもなった。その時も「現状に満足せず、もっと上を目指す姿勢を見せていた」と三浦さんは語る。

 今月21日の日本代表の総括会見で、木津は「この期間は貴重だった。プレーヤーとして成長できた」と述べた。向上心あふれる木津が今後、一段と強くなった姿を見せてくれるはずだ。 (高畑章)

 

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