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【Penペン草紙】

陸上日本選手権での密かな快挙 名古屋大コンビのライバル物語

2019年7月12日 18時0分

男子400メートル障害決勝を終えた名大コンビ。(左から)小田将矢と真野悠大郎(内山田正夫撮影)

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6月の陸上日本選手権400メートル障害決勝。「3レーン小田将矢、名古屋大学。2レーン真野悠太郎、名古屋大学」。名古屋大の2人の選手が日本一を争う舞台で走った。実は記者自身も名大陸上部のOGで、小田は1学年、真野は2学年後輩。うれしさが込み上げると同時に、こちらまで緊張して取材ノートを持つ手が震えた。

小田は工学研究科博士前期課程2年生。真野は医学部医学科の5年生。ともに愛知県江南市の滝中学・高校から現役で名大に進み、中学から同じ陸上部で汗を流す。最高の練習パートナーで、最高のライバルと全国の舞台を目指してきた。

2013年の夏、全国高校総体の出場権をかけ、2人は東海大会の決勝を走った。明暗はくっきりと分かれた。6位以内で出場権を獲得できるが、高校3年の小田が7位で逃した一方、後輩の真野は4位で全国行きを決めた。「1カ月くらいはふてくされていた」と小田は笑って振り返る。

6年後、2人は日本一を争う大会の決勝で、隣のレーン同士で走った。小田が2年ぶりの自己ベストとなる49秒60で5位、真野が6位だった。「3度目の挑戦で初めての決勝。49秒台を出せてうれしいが、世界選手権の参加標準記録(49秒30)を切れなかったのは悔しい」。それでも小田は充実した表情を浮かべた。隣で真野は悔しそうな表情を浮かべた。

日本選手権で同一種目2人が入賞するのは名大初。そもそも、国立大で同一種目で複数人が決勝に進むこと自体がめったにない。ただ、2人が目指すのは世界の舞台。まだまだ満足していない。

小田は大学院で「バイオマスのガス化」をテーマに研究に取り組み、徹夜で実験することもあるという。陸上部では、ウレタン舗装が整ったグラウンドで、コーチに助言を求めながら試行錯誤し練習している。来春からは愛知県内の会社で、フルタイムで働きながら競技も続ける。「ばりばり働きながら東京五輪を目指します」。最高のライバルとの飽くなき挑戦は続く。(広瀬美咲)

 

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