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【コラム 人生流し打ち】

[コラム]私が出会ったサイン盗みのプロ その手口と後悔

2019年11月13日 17時5分

かたわらに、乱数表をつけた愛用のグラブが…

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 大リーグで「サイン盗み」疑惑が持ち上がっているという。忘れたころにこの手の話題はもちあがってくる。

 昭和50年代、日本のプロ野球ではスパイ野球が横行していた。それに直接関わっていた人から話を聞いたことがある。既に退職しているが、関西以西に本拠地がある球団の職員だった。

 彼は本拠地球場での主催試合になると双眼鏡、無線機を手にスコアボードの裏に忍び込んでいたという。捕手のサインを解読し、ベンチに伝えるためだった。

 「夏は暑いし、あれは情けなかったよ。薄暗くなったら、機材を持ってのこのこ出掛けるんだもの。相手がサインを変えたってすぐに分かるよ。そこはプロだからね。でも、あんな仕事はやりたくなかったね」

 笑い話もあったという。それは主催の地方球場で、構造上スコアボードには入れなかった。「同僚がバレちゃったんだ。スタンドで双眼鏡をのぞき、1球ごとに首をかしげて伝えてたんだよ。そうしたら相手球団に気付かれちゃった。ベンチから指さされてね。それで『やめ、やめ』とこっちから声をかけて戻したことがあった」

 別の球団の話だが、盗聴器も登場したといわれる。中日球団関係者によると、遠征先のベンチやロッカールームでの会話が盗み聞きされているのでは、との疑念が持ち上がったためミーティングはまず宿舎で本物を、球場ではフェイクを行ったという。

 これまた中日の関係者から聞いたところによると阪神・田淵捕手のサインは指が股間の下に出ており、ネット裏からすべて分かってしまったそうだ。それを選手に伝達したかどうかは教えてくれなかった。

 一時期、サイン盗みを防止するため乱数表を取り入れるチームがあったが、試合がつまらなくなり、問題になった。

 実際、伝達されたサインが間違っており、頭部死球を受け、いまだに頭痛が出るという人も知っている。野球をつまらなくする不正行為はなくなってほしい。(増田護)

 

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