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【コラム 人生流し打ち】

ベースボール犬「わさび」 ドアラの友だちが本になりました

2019年7月26日 17時50分

ツイッターで月刊ドラゴンズを紹介してくれたわさび。ドアラの仲良しです。

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 この柴犬。名前を「わさび」と言います。昨年14歳で引退するまで、始球式のボールを運ぶベースボール犬として11年間活躍したすごいワンちゃんなのです。このたび彼女が本になりました。

 「ほんとうにあった犬の話」(講談社青い鳥文庫)で、秋田犬のマサルなど他7編と収録されています。小学生向けルビつきではありますが、夏休みの宿題とは縁がない筆者にも読み応えがありました。

 「わさび」のマネジャー(つまりは飼い主)、三沢治美さんと知り合ったのは、筆者が月刊ドラゴンズ編集長だった2017年秋。中日戦(神宮球場)での活躍ぶりを11月号で紹介したところ、中日ファンが喜びそうな写真を添付してツイッターなどで誌面を紹介していただいたのです。

 掲載した写真はその一枚。なんでドアラの耳を? 始球式で知り合ったドアラとは大の仲良しだったのです。ありがとう、「わさび」。

 治美さんの父親は日本ハムのスカウトだった三沢今朝治さん。新庄剛志の獲得にも動き、人気球団への礎を築いた人です。治美さんがベースボール犬を育てようと思ったのも、独立リーグの球団代表になった父から、ファンサービスについて相談されたのがきっかけだったそうです。そうだ、「わさび」ならお客さんを笑顔にできるかも、と。

 育てるのは楽ではありません。筆者は盲導犬のパピーウォーカーを務めたことがあります。月例講習会では恥かきの連続で、「だめ犬」と思わず口走ったところ、「いえ、だめなのは犬ではなく…」と指導員に指摘されてぎゃふん。ほめて、楽しみとやりがいを教えて…。何より忍耐が必要だと学びました。

 そう、そう。話はそれますが訓練期間中に、中日の川上憲伸さんが中部盲導犬協会に100万円もの寄付金をもってきてくれました。立浪和義さんは今では応援大使。誇らしいことです。

 目の不自由な人を助ける盲導犬。人を笑顔にするベースボール犬。それぞれ目的は違ってもお互いの愛情が通い合わなければ育ちません。

 そのベースボール犬は日本でもこれまで数例しか誕生していません。しかも不向きとされる柴犬をよくぞここまで。音楽家として活動しながら成し遂げた治美さん。同じ犬種を飼っている筆者には奇跡としか思えません。

 苦労話は同書で初めて知りました。なんだか心がポカポカしてくる本です。

わさびが取り上げられた「ほんとうにあった犬の話」(講談社青い鳥文庫)

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