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【桑原克典の「使えるレッスン」】

下りのパットはなぜショートする?!

2017年2月2日 紙面から

 今週のレッスンはパット。誰もが苦手にしている下り傾斜で、しかも大きくスライスやフックをするラインの打ち方です。プロでも苦手な下りの曲がるライン。これをどう打つか。「パットマスター」の桑原克典プロが、陥りがちな落とし穴の存在を教えてくれた。 (聞き手と構成 青山卓司)

プロでも苦手…長い距離は特に

 −今週も近藤龍一プロに来ていただいています。近藤プロ、パットは得意な方ですか

 近藤「苦手ではないけど、自信はないです。ラインによっては不安はあります」

 −どんなラインが苦手とかありますか

 近藤「もちろん距離の長い下り傾斜です。距離があってもまっすぐなラインなら、それでも楽ですけど、大きくフックしたり、スライスすると、神経質になりますね」

 −パット・イズ・マネーですからね、プロは。アマチュアでは想像できないプレッシャーを受けるんでしょうね

 桑原「プロのグリーンは速いですから。下りになると、どうしても必要以上にデリケートになります。でも長い下りのパットは、返しを考えても、オーバーをさせたいですね。ショートしたら、また難しい下りのパットが残ってしまいます。ワンパットで入れば最高。だめでも、2打目は上りの返しのパットにしたいのです」

カップ近くだけ見ててはダメ!!

 −でも、なぜか、長い下りのパットってショートしてしまいます。特にパットが苦手なだけに、びびるのかな

 桑原「青山さんのようなアマチュアだけじゃないですよ。実はプロでもショートが多いんです。これはびびっているという精神的な理由もあるとは思うのですが、実は大切な部分を見落としているからなんです」

 −下りのパットの落とし穴ですね。ぜひ、教えてください。わたしたちが立っているのは、岐阜県瑞浪市にある明世CC10番ホール。ボールとカップまでの距離は5〜6メートル。ボールからカップまでは下りの傾斜で奥(右)からも下っている。カップから1メートルほど右を狙わなければいけないほどの傾斜です。

 桑原「このフックラインを例にしましょうか。特に大きく曲がるラインを打つ時、傾斜を計算してカップの右側を狙いますよね」

 −はい

 桑原「このラインは見た感じで相当に曲がることがわかります。カップの入り口を探すと、右側の手前になりますね。右に相当に打ち出して、フックしながら入っていくイメージですね。はい、ここに落とし穴があるのです」

 −落とし穴ですか? わたしには何も見えませんが

 桑原「落とし穴はカップ周辺ではなく、ボールの周辺です。ラインを低いところから見てください。右に打ち出すということは、ラインはいったん上りになります。下る前に上りを打たなければならないことに気が付いていましたか? これを見落としたり、下りが怖くて読み間違えたりするから、ショートをしてしまうのです。ボールをラインの後ろからだけじゃなく、低いところに回って読むようにしましょう。ここに立てば少し高くなっていることに気が付くはずです。では、実際打ってみてください」

写真
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ショートは厳禁勇気をもち打つ

 近藤プロ、青山の順に打ってみた。近藤プロはショートしてカップの横に、青山は30センチオーバーしてカップの下に。

 桑原「近藤プロはわかっていても怖くてやっぱりショートしてる。プロ仕様のグリーンではないから、重いというのもありますが。返しを考えてもオーバーした青山さんとショートした近藤プロのラインの難易度は明らかですね」

 −打ちやすいストレートの上りのラインと、曲がるかもしれない横のラインですから。神経の使い方が違ってきますものね。今まで、単に精神的にびびってショートしていたと思っていたのが、実はラインの読み違いというか、錯覚に惑わされていたのですね。下りだと思っていたラインの中に上りが隠れていたなんて……

 桑原「これはプロでも錯覚に惑わされるようなラインです。今回はフックを打ったのですが、基本的にはスライスでも同じです。しかもスライスは、フックに比べると、はずすと大きく曲がっていく傾向があります。ショートすると、難しいスライスラインが残ってしまいます。曲がる下りのラインは、勇気を持って強めに打つ。オーバーをさせることを目標に打ってください」

【プロの独り言】飛距離アップに役立つボール投げ

 オフのトレーニングを名古屋市内の公園などで若手プロとやっています。日によって異なりますが、だいたい10人ほど。さまざまな種類のトレーニングメニューをいっしょにこなします。目的は下半身を主体に、体のキレや瞬発力を増すことです。もちろん、飛距離アップも目的の1つです。

 トレーニングをこなすうちに、面白い現象を発見しました。飛距離が出る人は、ある共通のトレーニングを得意にしているということです。それは3キロのメディシンボール投げです。3キロの重さを遠くに飛ばすためには、体全体のパワーと瞬発力が必要になります。ゴルフボールも同じ。軽くて小さな分、つい腕だけで打とうとしてしまいがちになりますが、飛距離を出すためには、全身のパワーと瞬発力が必要です。メディシンボールは、スポーツショップなどでも買うことができるし、スポーツジムに置いてあることもあります。ぜひ、トライしてみてください。

 ▼桑原克典(くわばら・かつのり) 1969(昭和44)年4月4日生まれの47歳。愛知県北名古屋市出身。172センチ、71キロ。愛院大時代は「全日本学生」で優勝するなど、同い年の日大・丸山茂樹らとしのぎを削った。92年にプロ転向。日本プロゴルフツアーマッチプレー選手権などツアー通算2勝。得意クラブはパター。ミズノ所属。

 ▼近藤龍一(こんどう・りゅういち) 1986(昭和61)年7月29日生まれ、名古屋市出身の30歳。180センチ、77キロ。栄徳高1年から本格的にゴルフを始める。同志社大を経て、2008年にプロ転向。得意クラブはドライバー。

取材協力 明世カントリークラブ 瑞浪市明世町月吉1112番地の88 TEL:0572−69−2326 http://akeyocc.com/

(毎週木曜日の紙面に掲載)

 

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