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【桑原克典の「使えるレッスン」】

明治の大砲スイングなぜなるの?

2016年11月17日 紙面から

右肩が下がって左腰が浮いた「明治の大砲」ではダフるなどミスも出ます

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 リバースピボットとは、バックスイングで左足に体重が乗り、トップで右腰が浮いてしまう動きを指します。これがダウンスイングで右足に体重が移り、左腰が引ける「明治の大砲」と呼ばれるスイングの要因です。そもそも見た目が悪いし、ダフるし、当たっても飛びません。正しい体重移動はどうすればできるのか。大切なのはバックスイングにあることを知っていましたか。原因と対策、桑原克典プロに教わりました。

 (聞き手と構成 青山卓司)

ロングアイアンで飛ばしたい時

 −私の場合、ロングアイアンでよくリバースピボットになっていると言われます。自分でも力んで振った時、テークバックからトップにかけて左足に体重が乗ってしまう自覚症状があります

 桑原「球が上がるだけで飛ばないから、『明治の大砲』と呼ばれるスイングですよね。アマチュアの方のスイングで、よく見る現象です。特にロングアイアンとか、直接地面から長い距離を打たなければいけない時に、このミスショットが出ますね」

 −気持ち的には確かに、とにかく飛ばしたいという余計な欲が引き起こしているとは思うのですが、技術的な問題としては、何が原因なのでしょう

 「現象そのものはインパクトでおこるものですが、ほとんどの場合、原因はインパクトではなく、バックスイングにあると思います。打った時におきるから、どうしてもインパクトに原因を求めがちですが、それではいつまでたっても見つかりません」

 −打つ前に、すでにリバースピボットになっていますからね。バックスイングから間違っているのか。何をどう間違うと、リバースピボットになるのでしょうか

 「スイングって、いろいろなものに例えることができますが、今回は弓矢をイメージしてみましょうか」

矢を強く放つには引ききること

つまりは弓が引けてない

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 −弓矢って、あの弓道の弓ですか

 「その通り。弓って、構えて、弓を引きますよね。上級者は弓を引ききって、矢を放ちます。スイングでも同じです。トップでしっかりと回しきって、ダウンに入ります。右脚に体重が残ってしまっている人は、いわば弓を引ききらないまま、矢を放って、遠くに飛ばそうとしているようなものです」

 −トップが浅いことが原因でしょうか

 「そうです。弓でいえば、あとひと引きがないのです。これをスイングに置き換えると、背中までヘッドが回っていない状態です。トップでも、体の前にグリップがある。体の前にグリップがあると、ダウンスイングでどうなるか。インパクトまでの距離が短すぎるから、まず下半身を回転させることができない。そのまま打ったら、突っ込んで右肩がかぶり、左に低い球が出てしまう。いわゆる引っかけですね。このミスを避けるためには、ヘッドの通り道をつくらなければならない。下半身の回転があれば、ヘッドの通り道が自然にできて、クラブはインサイドに抜けていきますが、これもできない。最終的には、左腰を浮かせるしか通り道をつくる方法がないのです。下半身の回転がないから体重は右脚に残ったまま、クラブの通り道をつくるために左腰が浮いたスイングになり、明治の大砲が完成します」

腕だけじゃない ヘッドを動かす

 −ロングアイアンで、リバースピボットがおきるのは、飛ばしたい気持ちが、力みになって、正しいトップがつくれないことだったんだ。もっと深いトップをつくれば、リバースピボットは解消できるのですね

 「これは体、特に上半身の柔軟性にもよるので、一概には言えないのですが、まずは正しいトップをつくることから始めるといいでしょうね。だから、深いトップをつくるための練習と、柔軟性が足りない人は、そのための練習も並行してやってほしいですね」

 −桑原プロがよくおっしゃってる、腕ではなく、ヘッドを動かすというのもそうですね

 「バックスイングでしっかりと上半身を捻転させトップではヘッドが背中まで回るように動かす。少しアップライトになって高いトップでも、インサイドに引いて、低いトップでも、個人差があるからある程度は構いません。深いトップがつくれたら、インパクトまでの時間があるので、股関節を回転させても、まだヘッドは下りてきません。これでプロのように股関節を回転させフィニッシュで左の股関節に体重を乗せながら、クラブを振ることができます」

 −リラックスして振ることも大切ですね

 「そうです。スイングリズムも大切ですね。リズムよく、リラックスして振れば、体が硬直しないから、トップも深くつくれます」

<1>クラブを背中までしっかり回す<2>ダウンスイング。股関節から体重移動。クラブはまだ下りてきていない<3>インパクト。左股関節への体重移動ができているから、クラブの通り道がある<4>フォロー。左脚一本で立てるくらいの体重移動<悪い例>体の前にグリップがある。浅いトップ

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【プロの独り言】もうひとつの「大砲」矯正法

 今週の「明治の大砲スイング」ですが、もう1つ矯正するためのドリルを教えます。練習場で試すには最適ですよ。

 まずボールの位置。極端に左に置きます。できれば、左足の外側くらいがいいでしょう。そこから構え、打ちます。普通に打つだけでは、左に飛び出し、そのまま左に曲がる球になるか、クラブがカット軌道に入ってスライスするかです。

 そこでダウンスイングで下半身を踏み込み、ボールを左胸の前でインパクトするようなイメージで打ってみてください。

 目標を意識して、ボールを打つことがコツです。このドリルで、右足に体重が残り過ぎて、左足が引けたようなスイングから、理想的なウエートシフトができたスイングになります。

 感じがつかめてきたら、またボールの位置をいつものように戻してください。クラブはアイアンがいいと思います。

 ▼桑原克典(くわばら・かつのり) 1969(昭和44)年4月4日生まれの47歳。愛知県北名古屋市出身。172センチ、71キロ。愛院大時代は「全日本学生」で優勝するなど、同い年の日大・丸山茂樹らとしのぎを削った。92年にプロ転向。日本プロゴルフツアーマッチプレー選手権などツアー通算2勝。趣味はガーデニングとアユ釣り。得意クラブはパター。ミズノ所属。

取材協力 明世カントリークラブ 瑞浪市明世町月吉1112番地の88 TEL:0572−69−2326 http://akeyocc.com/

(毎週木曜日の紙面に掲載)

 

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