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【桑原克典の「使えるレッスン」】

飛びすぎ怖いフライヤー防ぐには ラフからの距離合わせ覚えよう プロが使ってる上級テクニック

2016年10月13日 紙面から

ライはつま先下がり、左足下がりのラフ。ピンまで150ヤード。グリーン手前にはガードバンカーがある

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 プロでも悩むのが、ラフからの距離合わせ。グリーンまで150ヤード、左足下がりでつま先下がりのラフから、どうグリーンにオンさせるのか。先週に続いてゲストとして斉藤智洋プロを招き、桑原克典プロが上級テクニックを伝授した。 (聞き手と構成 青山卓司)

どう打てばいい?まずは状況判断

 −ラフからの距離合わせは、プロでも大変。特にライが難しい時は悩んでしまうもの

 桑原「ライを確認しましょう。この状況判断がまず大切です。左足下がりでつま先下がり。ここからプロは150ヤード先のグリーンに乗せなくてはなりません。できたら1ピンの距離にボールを寄せたいところです。そのためにはボールを柔らかく上げて止めたい。まず斉藤プロ、打ってみてください」

 斉藤プロが挑戦してみた。ボールは150ヤード先のピンを越えて、直接グリーンオーバー。いわゆるフライヤーと呼ばれる現象だった。

 「ラフからのショットは、これが一番怖いのです。グリーン上では3ヤード飛びすぎると、大けがに結び付きかねません。プロは飛ばすことならいくらでもできます。むしろ距離をどう抑えて打っているか。それを今回はレッスンしましょう」

 −斉藤プロ。クラブは何番でしたか

 斉藤「9番アイアン(9I)です。フライヤーを計算して短めのものを持ったのですが、それでもオーバーしました。ラフからは相当に難しくなりますね」

左足先下がりは?ロフトに注意を

 −9Iでキャリーで160ヤードは飛んでましたね

 桑原「このライの場合、フライヤーはおもに2つの理由で起きます。まず腕のローテーションです。これをし過ぎること。そしてロフトが必要以上に立ってしまうことです。ラフからだから、スピンがかからず、飛びすぎてランも出るのです。左足下がりになるだけで、フラットなライに比べると、ロフトが立ちます。だから9Iを持っても8Iのロフトになります。そしてつま先下がり。つま先下がりのライでは右にボールが飛ぶ危険があります。ですからどうしても腕を余分に使って左に振り抜こうとし過ぎてしまいます」

腕を使いすぎない 体の回転で振る

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 −この2つの原因を取り除けば、高くて柔らかいボールが打てるということですね

 「クラブは短く持ってシャープに振り抜きます。これはラフからのショットでは必ず実践してください。ボール位置はスタンスのほぼ真ん中になるようにします。ここから体の回転を意識して、腕のローテーションをできるだけ抑えて打っていきます」

 −腕のローテーションを抑えるとは、どう振ればいいのでしょうか

 「よく誤解されるのが、『腕を使わないで』とアドバイスをすると、インパクトからヘッドを進行方向に真っすぐ出そうとする人がいます。これでは体から腕が離れていってしまいます。体の回転までできなくなります。腕のローテーションを抑えるとは、常にクラブが体の幅の中にあるように振るということです」

短く持ち打ったが距離変わらない

 −クラブを体の正面に置くことが腕のローテーションを抑える振り方なんですか

 「腕が余分に動くことを抑えるために、常に体の幅の中にクラブがあるように意識するということは、実はすべてのスイングに必要です。それをラフからはより強く意識してほしいのです。体の回転でトップまでもっていく。ボールに対して腕はローテーションしているのですが、体に対してクラブは正対しています。トップもインパクトもフィニッシュも」

 −ロフトが立ちすぎない位置にボールがあるようにスタンスする。腕のローテーションを抑えて、体の回転で振る。斉藤プロに実践してもらいます

 斉藤プロが、再度挑戦した。ボールはさっきよりも高く上がり、グリーンに落ちて止まった

 「弾道が柔らかく高いから止まります。これがプロの距離感です」

 青山が7Iで同じライから挑戦した。ボールはグリーンに落ち、カラーで止まった。

 −短く持っても距離は変わらないのですね。体の回転を意識すると、ゆっくりと振ることができました

 「アマチュアの方はヘッドスピードが遅く、ロフト角をコントロールできないために、フライヤーはあまり出ません。ただフライヤーに似た球はアマチュアの方も打っているのです。球があまり上がらず、スピンもかからなくて止まらない現象に悩んでいる方がいたら、ロフト通りに打つ意識で、体を回転させて打ってみてください。それだけでも打球は変わると思います。短く持って、体の回転で打つ。プロが意識しているポイントですが、アマチュアの方にも、ぜひ、実践してほしいものの1つです」

斉藤智洋プロお手本ショット <1>ボール位置はできるだけロフトなりのスイングができる位置。あまり左足寄りにすると、ロフトが立って強くて低い弾道になる<2>切り返し。短くシャープに振り抜くイメージ<3>ダウンスイング。体の回転を意識してクラブは体の前からはずれないように<4>インパクト。腕を飛球線方向に出さない<5>フォロー。クラブヘッドがインサイドに抜けている<6>フィニッシュ。プロはここまで振り切る

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【プロの独り言】アイアンとボール

 ボールにいろいろな種類があることはよく知られているし、こだわって使っている人も多いと思います。硬さ、飛び、スピン性能など、好みは人それぞれです。ボールと同じように、アイアンにも、いろいろな種類があることをご存じでしょうか。

 ざっくりと説明すると、ステンレスヘッドは打感が硬く、軟鉄は柔らかく感じます。硬い打感のアイアンは直進性が高く、柔らかいものはコントロール性が高く、スピンもかかります。音にも違いがあって、硬いものは金属的な音がするし、柔らかいものは、音まで柔らかく聞こえます。

 アイアンとボールの相性でもゴルフは変わってきます。飛ばしたいけど、スピンも効かせたいのなら、柔らかい軟鉄素材のアイアンと、硬い直進性の高いボールとのマッチングにするとか。お使いのアイアンの種類も考慮しながら、ボールを選ぶと、ゴルフの楽しみが増えると思います。

取材協力 明世カントリークラブ 瑞浪市明世町月吉1112番地の88 TEL:0572−69−2326 http://akeyocc.com/

 ▼桑原克典(くわばら・かつのり) 1969(昭和44)年4月4日生まれの47歳。愛知県北名古屋市出身。172センチ、71キロ。愛院大時代は「全日本学生」で優勝するなど、同い年の日大・丸山茂樹らとしのぎを削った。1992年にプロ転向。日本プロゴルフツアーマッチプレー選手権などツアー通算2勝。趣味はガーデニング。得意クラブはパター。ミズノ所属。

 ▼斉藤智洋(さいとう・ともひろ) 1988(昭和63)年8月24日生まれ、愛知県出身の28歳。173センチ、70キロ。名商大卒業後、2012年にプロ転向。得意クラブはアイアン。

 ◆教わる人 青山卓司。中日スポーツのゴルフ担当デスク。入社25年目の52歳。ゴルフ歴14年。飛距離自慢で、小技はさっぱりのマッチョ系ゴルファー。

(毎週木曜日の紙面に掲載)

 

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