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【桑原克典の「使えるレッスン」】

ハンドファーストは結果的にできる

2016年8月25日 紙面から

 ボールはハンドファーストで打て−。よく聞くフレーズだが、実はこの言葉を間違って理解しているゴルファーが多いんです。ハンドファーストはつくるものではなく、できるもの。正しいスイングをすれば、結果、ハンドファーストになると桑原克典プロは言う。正しいハンドファーストを身につけて、正確なアイアンショットを身につけよう。 (聞き手と構成 青山卓司)

腕を前に出してハンドファーストをつくろうとすると写真のようになる

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 −方向性の安定、番手なりの飛距離を出すためには、ハンドファーストで打つ技術が不可欠と桑原プロに言われて以来、それを意識しているんですけど、実はこすれ球が多発して頭を抱えています。プロのハンドファーストとアマチュアのハンドファーストはどこが違うのですか

 桑原「違いはいろいろあります。まず最初に聞きます。青山さん、もしかしてハンドファーストをつくっていませんか? ハンドファーストは結果的になるものであって、自分でつくるものではありませんよ」

 −つくってはダメなんですか? わたしは素振りから、インパクトのかたちで、ハンドファーストになるように、腕を前に出していました

 「グリップがハンドファーストの支点と考えると、そうやってグリップの位置を前にしてしまいます。でもプロのハンドファーストの支点は左肩の後ろ、ちょうど肩甲骨のあたりです。ここを支点にして、ハンドファーストがつくられていきます」

引っ張るより引っ張られろ

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 −支点は左肩の後ろにあるのですね。わたしの考えるハンドファーストとまったく違いました

 「ダウンスイングでも左肩の後ろを支点に考えます。そこからはデコピンをイメージしてください」

 −え、デコピンですか。あの指をはじいて、おでこをたたくあのデコピンですか

腕で無理やりハンドファーストをつくらない。これは振り遅れ

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 「相手にダメージを与えるには、指をもう片方の指で引っ張って、離しますよね。あの動きです。ダウンスイングでは、クラブヘッドがたたく指の先端、その指を極限まで引っ張る動きがウエートシフトだと思ってください。指の付け根が下半身です。まず左にウエートシフトします。これが下半身始動ですね。クラブヘッドはまだ止まったままです。極限まで我慢をして重力を利用して左肩後ろを支点にクラブヘッドを加速させてやります。デコピンのように、力尽くではなく筋肉をしなやかに動かせたら、インパクトでは美しいハンドファーストができあがります」

 −なるほど、デコピンはおでこに当たるまで、何も邪魔をしませんものね。クラブヘッドの加速もイメージしやすいです

 「力尽くで引っ張る意識を持った時点で、クラブは絶対に体を追い越さないですよね。これがいわゆる『振り遅れ』という現象です。振り遅れでは、いつまでたってもクラブが体を追い越してくれません。クラブはインパクトで体を追い越し、そこからはむしろ、体がクラブの動きに引っ張られるくらいでいいのです。『引っ張るより、引っ張られろ』です」

クラブの重み感じて振るだけ

 −わたしは一生懸命、振り遅れの練習をしていたということですね

クラブヘッドが加速しないから、スイングの途中で止まってしまう

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 「正しいハンドファーストとは重力に従って、クラブの重みを感じながら振ってくことです。そのために握りは軽く、デコピンをする時のように腕の力を抜いてください。これでクラブヘッドが走りやすい状況をつくることができます。そして体重を左に移して、クラブを落としていきます。プロはアイアンショットですごく長く大きなターフを取るでしょ? あれが正しいハンドファーストによってクラブがダウンブローに下りてきている証拠です。体を機能的に使えている証拠なんです。あんなにターフを取っているのに、実はまったく力なんか使っていないんです。まずはボールを打たなくていいです。7番アイアンの素振りから始めましょう」

 青山が7番アイアンで何回か素振りをしてみた。

 「青山さんは典型的なアマチュアのスイングですね。インパクトからヘッドが走らず、振り切る前に止まってしまっています。もっとヘッドを加速させて、体がクラブに引っ張られて、体に巻き付いていくフィニッシュを取ってください。インパクト後もヘッドを走らせることができれば、正確性も増すし、距離もさらに出ます。プロのスイングに近づきます」

【プロの独り言】ミスを恐れない覚悟

 例えばダブルボギーを打ってしまった時、プロはどうやって切り替えるのですか? そんな質問をよく聞かれます。ゴルフはミスのスポーツです。常にパーフェクトな結果が出るなんてあり得ません。また、バーディーを狙おうとすれば、リスクは高まります。それでも少しでもいいスコアで上がるぞという覚悟を持って、プロはラウンドをしています。

 ミスを覚悟で攻めなければいけない局面は必ずあります。そこでミスが出ても、それを受け入れ、乗り越えるしかありません。アマチュアゴルファーでも同じことです。例えば、「きょうは絶対にベストスコアを出す」という決意をしたら、攻めますよね。そこでミスをしても、きっと乗り越えられます。漫然と、無難にゴルフをするよりも、ミスをして、それを乗り越えるほうがずっといいと思います。ミスを恐れたり、避けたりすることよりも、まずは覚悟をすること。そこから始めませんか。

 ▼桑原克典(くわばら・かつのり) 1969(昭和44)年4月4日生まれの47歳。愛知県北名古屋市出身。172センチ、71キロ。愛院大時代は「全日本学生」で優勝するなど、同い年の日大・丸山茂樹らとしのぎを削った。1992年にプロ転向。日本プロゴルフツアーマッチプレー選手権などツアー通算2勝。趣味はガーデニングとアユ釣り。得意クラブはパター。ミズノ所属。

取材協力 明世カントリークラブ 瑞浪市明世町月吉1112番地の88 TEL:0572−69−2326 http://akeyocc.com/

(毎週木曜日の紙面に掲載)

 

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