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【桑原克典の「使えるレッスン」】

ピンチをチャンスに ラフに入ってもあきらめない

2016年8月4日 紙面から

 長くて密集している夏のラフは、誰でもいやなもの。ただし、ライによってはフェアウエーよりも距離をかせげることもある。判断力を磨いて、スイングのコツを覚えれば、ピンチを一転、チャンスに変えることができます! (聞き手と構成 青山卓司)

最も見極め大切 草の順目と逆目

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 −夏で困るのが伸びたラフです。この時期は特に深くて、おまけに草が密集して、参ります

 桑原「確かに手ごわいラフもありますけど、そんなラフばかりじゃないです。ピンチを覚悟して行ったら、『これ、チャンスじゃん』っていう経験はいくらでもあります。その見極め方と振り方を教えましょうか」

 −ピンチをチャンスに。それ、いいですね

 「まず見極め方です。大切なのはクラブが入るスペースがあるかと、ボールとクラブの抵抗がどれくらいあるか、の2点です」

 −スペースはボールの後ろの側のことですね。抵抗というのは何でしょう

 「ボールの先のスペースです。ここにスペースがなくて草が密集していたら、草の抵抗が激しく、草がそれほどなければ、抵抗はないと考えていいでしょう。もちろん草の目(生えている向き)も大切な要素ですが」

ボールの前後に草が密集している状態。このライでは無理せず出す

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 −どれだけクラブが入る空間があるかと、勢いよく飛ぶ空間があるかの2点ですね。振り方や握りにコツはありますか

 「振り方はラフのライによって少し変わってきます。実は握りもライや草の抵抗の強さによって変わってきます。草の抵抗が強ければ、強いほど左手のグリップは強めに握ります。草の抵抗でフェースの向きが変わらないようにするためです。そしてラフの時は必ず短めに持ってください。わたしの場合、5センチは短く持ちます。コンパクトに振り抜きたいからです」

 −さきほど草の目の話をしていましたが、これはどう読むのでしょうか

 「草の生える方向のことですね。これはすごく大切です。パターで芝の目を読みますよね。あれと同じです。順目は抵抗が少なく、逆目は抵抗が強い。足下からボールに向かって草が生えている時はシャフトが茎の抵抗に負けて、ひっかけやすいし、ボールから足下に向かって草が生えている時は、今度はフェースが茎の抵抗に負けて開きやすくなります。では、このラフから打ってみます」

左から<1>確実にボールを上げられるショートアイアンかウエッジを短く持つ<2>打ち方は同じだが、左手の握りをいつもより強めにしてラフに負けないようにする<3>草の生え方でボールの飛び出し方向も変わることがあるので注意<4>無理せず、フェアウエーキープを心がける

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 ピンまで150ヤードの距離の深いラフにあるボールを、桑原プロが打った。ボールは高く上がって、グリーンにナイスオンした。

 「実は打つ時に少し細工をしました。このラフの目だと、少し左にひっかけやすく、そして深い。抵抗の強いラフの時は少しでも早くボールを上げたい。さらに左にひっかけないために、フェースを少し開いて打ちました。7番アイアンでも、こうした工夫をすれば、深いラフからでも高く上げて止めることができます。ちょっと高度なテクニックですが」

逆に飛びすぎる 短いラフは注意

 −何げなく振っているように見えて、実はものすごく深く考えて、プロは振るのですね。これがチャンスに変える発想法ですね

 「深いラフの時はそれなりに工夫が必要ですが、短いラフに浮いている場合、一気に難易度は落ちて、チャンスはさらに広がります」

 −夏の強くて短いラフにボールが浮いた状態でよく止まっていますよね。あのライですか

ボールがラフの上に浮いている状態。このライならフェアウエーより飛ぶ

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 「ボールがラフに浮いて、草の抵抗が少ない時は、逆にフェアウエーより飛びます。草がボールとクラブの間に入って、スピンがかからず、キャリーもランも出るからです」

 −いわゆるフライヤーと呼ばれる現象ですね

 「そうです。そんな時は、いつものクラブを短く持って、コンパクトに振ってください。それでもアマチュアの方はフライヤーの分、距離は変わりません。短くコンパクトに振る分、正確性も増します。つまり、チャンスになる可能性があるということです」

 −なるほど、ピンチを一転、チャンスにひっくり返す方法ですね。ライを見極め、抵抗の少ない短いラフに浮いている時は、短く持ってコンパクトに振り抜く。これだけでいいのですね

 「ラフに入ったら、『もうダメ』なんて思わずに、まず見極めること。そして浮いていたらしめしめと思ってください。沈んでいたら、草の抵抗をイメージして、まずは脱出を最優先に考えること。ここの判断力をつければ、スコアは必ず伸びます」

【プロの独り言】“コースの失敗”を練習

 練習場ではうまく打てるのに、コースに出るとさっぱりという経験、ゴルファーならあると思います。プロも同じ。わたしも、同じような経験をしています。

 スイングに集中し過ぎて、コースに対応できていないことが、おもな原因です。ではどうしたら、練習でできることをコースでもできるようになるのでしょうか。

 発想を思い切って変えてみましょうか。つまり、考え方の順番を変えるのです。練習場が先ではなく、コースを先にする。コースでできなかったことを、練習場で繰り返す。コースが求めるスイングはコースでしか身に付きません。だからこそ、コースでできなかったことをやるのです。プロがラウンド後の練習を大切にするのは、それが理由です。

 ▼桑原克典(くわばら・かつのり) 1969(昭和44)年4月4日生まれの47歳。愛知県北名古屋市出身。172センチ、71キロ。愛院大時代は「全日本学生」で優勝するなど、同い年の日大・丸山茂樹らとしのぎを削った。1992年にプロ転向。日本プロゴルフツアーマッチプレー選手権などツアー通算2勝。趣味はガーデニングとアユ釣り。得意クラブはパター。ミズノ所属。

取材協力 明世カントリークラブ 瑞浪市明世町月吉1112番地の88 TEL:0572−69−2326 http://akeyocc.com/

(毎週木曜日の紙面に掲載)

 

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