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【桑原克典の「使えるレッスン」】

夏の長〜いラフ 簡単脱出法

2016年7月28日 紙面から

 今週のレッスンは夏ラフ対策。この時期、ひと雨ごとに夏のラフは成長するといわれるほど、草は長く、太くなる。夏特有の深いラフからの脱出法、ラフのために斜面で止まってしまったボールの打ち方を、桑原克典プロがわかりやすく教えてくれた。 (聞き手と構成 青山卓司)

斜面で止まった…大ミスしない選択

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 −夏のゴルフで困るのは、何と言ってもラフです。ボールを探すことさえ困難なラフから、どう打てばいいのか、途方に暮れますよね

 桑原「例えば冬なら転がって落ちてくるような斜面でも、夏のラフだと途中で止まってしまいますよね。そこから打つのはなかなか簡単ではありませんよね」

 −特に困るのがグリーン周りの斜面でボールが止まってしまう時。左足下がりで、しかもライが深いラフなんて状況は、我々が普通に打ったら間違いなくトップしてグリーンに乗せられません

 「コツとポイントを押さえれば、何とかなります。さあやりましょう。まず、握り方です」

 −握りから変えるのですか。プロの工夫ってすごいですね

 「ピンチをチャンスに変えられるなら、プロはどんな工夫でも迷わずにします。まず握りを思い切りストロング(フック)グリップにしてください。握った時、左手のナックルが3つくらい見えるくらいかぶせて握ってください。ふだんスクエアに握っている人でも、この場合はストロングです。ストロンググリップのメリットは、クラブフェースの面を変えずに、ヘッドを前に出しやすいことです。そしてフェース面を変えずにそのままボールの下にもぐり込ませていきます。ここで絶対にしゃくる動きをしてはいけません。しゃくったら、即ダフります。フェースのローテーションもしません。フェースをローテーションさせてしまうと、ラフの抵抗に負けてヘッドスピードが極端に落ちます。クラブをロフトなりに構えたら、そのままボールの下に滑り込ませて、ロフトなりにヘッドを前に出していくイメージで振ります」

左足下がりのライボールは少し右に

左から<1>ボール位置は右足寄り<2>グリップはストロングでスタンスはワイド。腰を落として安定させる<3>短く持って、ボールの下にクラブヘッドを滑り込ませる<4>ボールの先に最下点がくるように振る<5>インパクト後もフェースは返さない。フィニッシュを意識してとる

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 −スタンスやボールの位置はどうすればいいのでしょうか

 「スタンスは安定させたいので少しワイドに。膝は深めに曲げます。ボール位置はスタンスのセンターから右足寄りにします。左足下がりのスイングは、それだけでどうしてもダフりやすくなります。それを防いで、ボールの下にフェースを滑り込ませるために、ボール位置は右足寄りです。もう1つ、左足下がりのボールは上がりにくいです。それほど高く上がらないのと、ラフからのボールはスピンがかかりません。だから思っているよりも飛距離が出ると思って振ってください」

 桑原プロが手本を見せてくれた。ボールはフワリときれいに上がりグリーンにオン。そのままスライスラインを描きながら転がりカップの手前で止まった。

 「ちょっとうまく打ちすぎました。こんなにうまく打てることはプロでもそんなにありませんが、基本を守れば、こうやって成功することもあるってことです」

 −次にグリーン周りの深いラフに入ってしまった場合の脱出法です。真上からのぞき込まないと見えないほど深いラフってありますよね

 「この時期はありますね。深いラフからの打ち方って、コツをつかめば大丈夫。さっきの斜面からの打ち方ほど難易度は高くありません。まずイメージです。ラフを見て、素振りをしながら、どれくらいの振り幅ならどれくらい飛ぶのかを考えます。次にグリップ。この場合も、フェースのローテーションをしたら、草の抵抗に負けて、クラブが途中で止まってしまいます。ヘッドをボールの下にもぐり込ませて、前に出すためにはストロンググリップで、フェースの面を変えずに振ります」

深いラフでも一緒 抵抗に勝つ振りを

 −(1)ストロンググリップ、(2)フェースローテーションはしない、(3)クラブフェースをボールの下にもぐり込ませる。この3つのポイントは、斜面でも深いラフでも同じですね

 「その通りです。ぜひ、覚えてください。ボールの位置はスタンスのセンターでいいと思います。スタンスもあまり狭いとラフの抵抗に負けてしまうので、心持ち広げて、安定させていただければいいと思います。スイングは加速させてください。切り返しからダウンスイング、インパクトにかけて、クラブヘッドを加速して降ろしていきます。この加速的スイングでラフの抵抗に負けないヘッドスピードを出していきます」

 桑原プロが、深いラフからのアプローチを見せてくれた。ボールはグリーンに直接オンして、カップを2メートルほどオーバーして止まった。

 「素振りをした時のイメージ通りに振ったのですが、実際のラフの抵抗が思ったよりも強くなかったことがオーバーの理由です。思ったように振れたのなら、どんな結果であれ、ある程度納得することができます。ミスの原因もわかりますから。ゴルフはこうやって経験を積み重ねていくと、力がついていくと思います」

【プロの独り言】 「クラブ」は一緒に戦うパートナー

 クラブに限らず、どんな道具でも使っているうちに劣化はします。でも「手入れ」を怠らなかったら、劣化のスピードを抑え、さらに手や体になじみ、道具としてさらによくなることもあります。中でもクラブはゴルファーにとってもっとも大事にしなければならない道具。いつまでも使えるように、グリップはマメに交換してください。ゴムは劣化します。ツルツルになったグリップは滑って危険です。プロは3カ月に1回の頻度でグリップ交換をします。そこまでしなくても、1年に1回はしてください。

 使用頻度が最も高いサンドウエッジは、同じものを練習用と本番用に分けても、フェースが砂などですり減って、1年しかもちません。

 わたしにとってクラブは一緒に戦う一心同体のパートナーです。試合が終わったら、部屋でまず道具一式をキャディーバッグからすべて出します。試合後くらいは、道具にもリラックスしてもらいたいからです。

 ▼桑原克典(くわばら・かつのり) 1969(昭和44)年4月4日生まれの47歳。愛知県北名古屋市出身。172センチ、71キロ。愛院大時代は「全日本学生」で優勝するなど、同い年の日大・丸山茂樹らとしのぎを削った。1992年にプロ転向。日本プロゴルフツアーマッチプレー選手権などツアー通算2勝。趣味はガーデニング。得意クラブはパター。ミズノ所属。

取材協力 明世カントリークラブ 瑞浪市明世町月吉1112番地の88 TEL:0572−69−2326 http://akeyocc.com/

(毎週木曜日の紙面に掲載)

 

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