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【桑原克典の「使えるレッスン」】

こんな発想なかった!! 距離感のつくり方

2016年7月14日 紙面から

 スイングで距離感を持つことは、ゴルフでスコアメークするためには必須の技術。目からうろこの桑原流は、自分にとって気持ちいいスイングを尺度にして、距離感をつくっていく。50ヤードを正確に打つための練習より、ずっと早く距離感を手に入れられるはず。 (聞き手と構成 青山卓司)

意識するのは振り幅腕の高さを肩から肩

<1>振り幅は腕の位置が肩から肩まで<2>同じ振り幅でも、ダウンスイングの意識を変えるだけで、1ヤードや2ヤード刻みの距離感をつくることができる<3>桑原プロの場合、肩から肩の振り幅で、気持ちのいいスイングをすると51ヤードになる<4>ダウンスイングで加速させるとプラス1から2ヤード、ヘッドの重みを感じながら振り子のように落とすと、マイナス1から2ヤード

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 100ヤード以内の寄せで、とにかく大切になるのが、距離感。でもこれをアマチュアゴルファーが、身に付けるのは実にやっかいなのだ。

 −距離感を自分の中で持てって、よくレッスン本の中に書いてあります。でも、50ヤードの距離を常に正確に打つなんて、なかなかできません。距離感を身に付けるためのドリルってありますか

 桑原「青山さん、距離感というとすぐ50ヤードとか70ヤードとか30ヤードとか、ぴったりの距離をみなさん打ちたがりますよね。つまり距離にスイングを合わせているわけです。それだとなかなか身につきません。発想を変えましょう。スイングに距離を合わせるのです。そのほうが距離感は断然つくりやすいですよね」

 −おっしゃってる意味がわかりません。スイングに距離を合わせるってどういうことですか

 「自分の中の尺度を、気持ちのいいスイングにするんです。それなら50ヤードを常に打つ練習をするよりも、再現性は断然高まります。何しろ気持ちがいいですから」

 −気持ちがいいスイングが尺度になるのですか

 「なります。やってみましょう。まずサンドウエッジ(SW)を持ってください。このSWで自分が一番気持ちのいいリズムでスイングをします。意識するのは振り幅だけ。腕の高さを肩から肩にして、あとは自分にとって心地いいスイングスピードで振ってください」

自分の飛距離を知りあとは引いたり足す

青山も挑戦してみた

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 青山がやってみた。肩から肩の振り幅。気持ちのいいスイングを意識しながら振ると…。

 「距離計測用スコープで計ってみましょう。56ヤードでした。これが青山さんの尺度です」

 −そうか。つまり50ヤードとか70ヤードとか、区切りのいい数字を自分の尺度にするよりも、気持ちのいいスイングで打てる距離を尺度にしたほうが、距離感をつくりやすいんですね。よく考えたら、キリのいい数字にこだわる必要なんてまったくないですもんね。ここからスイングを引いたり、足したりすればいいのか

 「その通り。わたしならSWで肩から肩の振り幅だと51ヤードが尺度になります。では青山さん、今度は同じ振り幅で、切り返しから加速させていく打ち方と、逆に振り子のように、ヘッドの重みだけを感じて振っていく振り方で打ってみてください。コツは加速とヘッドの重み、そして振り幅です。必ず肩から肩を意識してください。特にインパクトでスイングを終えるのではなく、必ずフィニッシュを肩の高さまでもっていくことです」

実は簡単!!1ヤード刻みクラブ変え距離自在

 加速するスイングで振ったら、キャリーで58ヤードとランが出て、ヘッドの重みだけでダウンスイングをしたら53〜54ヤードのキャリーでスピンがかかった。

 「はい、これで青山さんは56ヤードの距離感とプラス、マイナス2ヤードの打ち分けができるようになりました。簡単でしょ。1ヤードとか2ヤード刻みに打ち分けるのって、実はみなさんが思っているより簡単なんです」

 −すごい。本当だ

 「ダウンで加速させていくとランが出るスイングになります。でも、キャリーはそんなに変わらないんです。振り子もそう。ヘッドの重みを感じながら振ると、距離はわずかに落ちます。そしてスピンがかかって止まるボールになります。コツは、気持ちのいいスイングが基準。このスイングで、振り幅を今度は腕の高さを肩より少し下にしたら何ヤードになるか、腰にしたら何ヤードになるかを試してみてください。その基準から、同じように加速するスイングとヘッドの重みで落としていく振り子スイングで距離を測ってください。振り幅が終わったら、今度はクラブを変えます。SWでも58度から52度にしたら距離はどれくらい変わるのか。ピッチングウエッジ(PW)ならどうなるか。(1)振り幅(2)クラブ(3)振り方という3つの組み合わせて、無限に距離をつくれます」

 −今まで50ヤードをきっちり打とうとして、いっぱいやってきた練習は何だったのでしょう。確かに決まった尺度がちゃんと自分の中にあれば、引き算と足し算はそれほど難しくない! さっそく今度のラウンドで試してみます

 「その前に練習場で距離を確認してください。計測用のスコープがあると、便利ですよ」

【プロの独り言】ゴルフにもある「引く文化」

 引く文化、押す文化って言葉、聞いたことありますか? 日本の文化は一般的に引く文化と言われています。包丁は切るではなく、引くと表現するように、引きながら切っていきます。逆に欧米は押す文化と言われています。もちろん包丁も押しながら切っていきます。のこぎりもそうです。日本では引き、欧米では押して切ります。

 引く文化、押す文化はスポーツにもあてはまります。柔道は襟を引きつけ合い、相撲はまわしを引きつけて取ります。それに対しボクシング、フェンシングなど、欧米発祥の格闘技は押すことを基本にします。

 ゴルフもスコットランドが発祥の欧米のスポーツ。日本人はどうしてもダウンスイングでクラブを引っ張ってしまいます。これが振り遅れの原因でもあります。発想を変えて、押してみる。切り返しからヘッドを押していく感覚を持つと、スイングがガラリと変わるかもしれません。

 ▼桑原克典(くわばら・かつのり) 1969(昭和44)年4月4日生まれの47歳。愛知県北名古屋市出身。172センチ、71キロ。愛院大時代は「全日本学生」で優勝するなど、同い年の日大・丸山茂樹らとしのぎを削った。1992年にプロ転向。日本プロゴルフツアーマッチプレー選手権などツアー通算2勝。趣味はガーデニングとアユ釣り。得意クラブはパター。ミズノ所属。

取材協力 明世カントリークラブ 瑞浪市明世町月吉1112番地の88 TEL:0572−69−2326 http://akeyocc.com/

(毎週木曜日の紙面に掲載)

 

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