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【桑原克典の「使えるレッスン」】

道具で激変 飛距離アップへの近道 練習する暇ない スイング変えられない人でも簡単

2016年6月30日 紙面から

 ドライバーの飛距離アップ講座の最終週は、道具です。クラブ、ボールなどを工夫し、自分のスイングに合ったものにするだけで飛距離は簡単に伸びると、桑原克典プロは断言します。  (聞き手と構成 青山卓司)

シャフト 「しなりの戻り」生かしてみよう

 −飛ばしのレッスン最終週は、「道具で飛ばす」です。スイングをよくして飛ばすことも大事ですが、とりあえず、手っ取り早く飛ばしたいというゴルファーには、道具で飛ばすという方法もありますよね

 桑原「プロが最も神経を使うのは、この道具です。ゴルフギアは飛ばしだけじゃなく、あらゆる面で重要な要素です。まずはクラブ。クラブの中でもシャフトとヘッドに分かれます。その組み合わせは、もう無数です。これがあなたにぴったりという道具はフィッティングをして見つけるしかありません。この領域は、プロですらクラブフィッターに頼っている部分です」

 −わたしも最近、ドライバーを買い替えました。といっても、エースドライバーは手放せないので、少し休んでもらって、若手を投入したという感じです。ワクチンというシャフトを使っているのですが、これがしなるしなる。今までよく右にプッシュアウトしたり、スライスしたりしていた弾道が、このクラブを使うと、ミスショットをしたと思っても、右に曲がらず、真っすぐいってくれたり、左に戻ってくれたりします。シャフトによってこんなに弾道って変わるものですね

 「青山さん、前のドライバーって、シャフトのキックポイントが手元調子で、重さ75グラム、フレックスがSなんて、プロのようなスペックのクラブを使ってましたものね。あのクラブの性能を引き出すのは、アマチュアでは簡単ではありません。今のクラブは先調子でしなるから、しなり戻りがすごく速くて、それでミスショットを助けてくれるんです。切り返しからシャフトはしなって、クラブヘッドより先行します。しなり戻りはその逆で、ヘッドが先行してシャフトがヘッドより後ろにある状態です。このシャフトのしなりと、しなり戻りを使えれば、飛距離はもっと出るはずです」

<1>自分に合う正しい道具を使えば、その性能を100パーセント引き出せる<2>ダウンスイング。ここでクラブの重みでシャフトがしなり出す<3>しなりきったシャフトは、インパクト直前にしなり戻りという現象がおきて、今度はクラブヘッドがシャフトよりも先行する。シャフトがわずかに山のようにふくらんでいるのがわかる<4>しなり戻りによってヘッドが先行すると、つかまったドロー回転の弾道になる<5>ドライバーの性能を引き出すには、ここまで振り切りたい

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 −シャフトは硬さ、重さに加えて長さがありますよね。シャフトの長いクラブ、いわゆる長尺で飛ばすという考え方もあります

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 「もちろん、ありです。一般にシャフトを1インチ長くすると、ヘッドスピードが秒速1メートル速くなって、結果7ヤード距離が伸びると言われています。ただし、これはちゃんと芯で打てた場合。長くなればミート率は落ちます。ミート率が落ちたら、距離は伸びないし、曲がります。ミート率が落ちない長さを自分で見つけることも大切です。つまりフィッティングですね。みなさん、ぜひ、フィッティングをしてもらってください。昔と違って、今はフィッティングができるショップが増えました。そこで自分のスイングの数値を知り、それに合ったクラブを選ぶと、それだけでゴルフが変わります。高ければいいってものじゃなく、自分に合うかどうか、それだけです」

ボール スイングスピード合致するもの選択

 −道具の中で、一番簡単に変えられるのが、ボールですよね。これも高ければいいってわけじゃない

 「ボールもしかり。自分のスイングスピードに合ったボールを使わないと、性能は引き出せません」

 −わたしは秒速45メートル前後です。45メートルと35メートルでは、ボールにどう影響が出るのですか

 「最近の性能がいいボールというのは、ドライバーでは低スピンで飛び、アプローチではスピンが効いて止まるという傾向があります。この2つの異なる性能をボールに詰め込むために、メーカーは芯(コアと呼ぶ)を硬く、コアの周りの部分を柔らかくしています。だからヘッドスピードのある選手がドライバーで打つと、コアの硬い部分をつぶすことができて、飛び、ウエッジでは柔らかく止めることができます」

 −ヘッドスピードが遅い人は、その硬いコアをつぶせない

桑原プロ使用のミズノのMP。プロ使用だけに、低スピンで飛んで、柔らかいからアプローチでは止まる

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 「その通り。コアがつぶせないから飛ばない。さらに柔らかい部分しかつぶれていないからスピンも多くなってしまう。だから曲がるし、飛ばないという悲惨な結果になります」

 −それじゃあ、むしろ逆効果ですね

 「いわゆるスピン系のボールというのは、そういうタイプのボールです。ですから特にヘッドスピードがあまり速くないゴルファー、秒速で40メートル以下の人は、あまり高価な飛んで止まるというタイプよりも、自分のスイングスピードでコアをつぶせるようなボールを使ったほうが、いい結果になりやすいと思います」

 −スイングスピードが決して速くない女子プロだって、男のアマチュアゴルファーよりはるかに飛ばしますものね

【プロの独り言】絵とゴルフって似てる!?

 最近、ある画家の方と知り合いました。その人は大学で絵を教えるかたわら、自分でも創作活動をなさっています。ゴルフがとても好きで、いっしょにラウンドした時に、おもしろいことをおっしゃってました。スイングの前に、その人は画家の習性からか、弾道の絵を頭の中で描くのだそうです。とても具体的に絵画にして、それからスイングをすると言っていました。つまり論理的な思考ではなく、右脳を使った直感的な思考でプレーしているわけです。

 スイングは言葉(論理)で考えるよりも、具体的イメージを持ったほうが、再現性が高いということは、わたしも経験からわかります。アプローチにしても、ボールに当てることに夢中になるよりも、まず、このボールをどう打ちたいのかを、頭の中でイメージとして描くとうまくいくことが多いのです。絵とゴルフ、意外なところで結びついたりします。

 ▼桑原克典(くわばら・かつのり) 1969(昭和44)年4月4日生まれの47歳。愛知県北名古屋市出身。172センチ、71キロ。愛院大時代は「全日本学生」で優勝するなど、同い年の日大・丸山茂樹らとしのぎを削った。1992年にプロ転向。日本プロゴルフツアーマッチプレー選手権などツアー通算2勝。趣味はガーデニングとアユ釣り。得意クラブはパター。ミズノ所属。

取材協力 明世カントリークラブ 瑞浪市明世町月吉1112番地の88 TEL:0572−69−2326 http://akeyocc.com/

(毎週木曜日の紙面に掲載)

 

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