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【桑原克典の「使えるレッスン」】

プロのインパクト手に入れよう

2016年5月26日 紙面から

 素振りをさせたらすごくいいスイングをするのに、ボールを打たせると、なぜか弱々しい弾道になってしまうゴルファーがいます。いわゆる「素振りシングル」なんてやゆされるゴルファーです。プロゴルファーのような本物のインパクトをどうすれば手に入れられるのか、桑原克典プロに聞いた。 (聞き手と構成 青山卓司)

素振りシングル卒業への第一歩

 −先日、ある上級者に言われました。「青山さん、あんたスイングはすごいのに、インパクトがまるでなってない。スイング100点、インパクト0点だね」。ショックだったけど、実はわたしも薄々気が付いてました。インパクトがすごく下手なんです

 桑原「いわゆる素振りシングルというやつですね。わかりました。プロがインパクトをどう考えているのかを教えましょう」

 −できますか。プロのインパクトが我々にも

 「できます。大丈夫です。ではまず、アマチュアのインパクトとプロのインパクトの違いを説明しましょう」

※スコアライン クラブフェース部分についている横溝。ボールのスピンに影響する線

写真

 「青山さんをはじめとする多くのアマチュアゴルファーのインパクトは、ボールの下の部分をクラブフェースの下で打ってます。それに対し、プロはボールの真ん中、地球で言うなら赤道ですね、ここをスコアライン(※)の下から3本目か4本目で打っています。この違いが決定的です」

 −打つ場所がクラブフェースとボールの両方で違うのですね

 「クラブフェースにもボールにも、当然、芯というものがあります。それがクラブフェースではリーディングエッジからだいたい22ミリ、スコアラインで言うと下から3本か4本あたり。そしてボールは真ん中、つまり赤道のあたりが芯になります」

 −アマチュアはクラブフェースの芯ではないところで、ボールの芯ではないところを打っているというわけですね

 「そうです。逆にプロはクラブの芯で、ボールの芯を打つから、最適の飛距離が出て、ギュ、ギュッとスピンがかかるのです。アマチュアの方がクラブの芯でボールの芯を打てないのは、ハンドファーストをインパクトで強くして打つと、ロフトが立って、ボールが上がらないのではないか、またはボールにスピンがかからず、止まらないのではないかという心理的な恐怖からなんです。でも実はまったく逆で、クラブの芯でボールを打てば、ダウンブローでもボールは上がるし、スピンも最もかかります。これはわたしが所属しているミズノの養老工場で、ロボットを使って実験しているところを見ているから間違いありません」

 −怖がらずにクラブの芯でボールの芯を打て、ですね。では、そのプロのインパクトは、どうすれば我々にもできるのでしょうか

 「変な言い方かもしれませんが、インパクトだけを考えても、プロのようにはなりません。いいスイングをしたら、インパクトもよくなるということなのです。因果関係で言うと、正しいスイングが原因で、正しいインパクトが結果。正しいスイングを手に入れれば、もれなく正しいインパクトはついてきます」

フェースの芯で球の中心を打つ

★桑原プロのお手本スイング

写真

 −正しいスイングとは何でしょうか

 「まずハンドファーストです。プロはアドレスよりもインパクトではハンドファーストが強くなります。一方、アマチュアはハンドファーストでアドレスをしても、インパクトではハンドファーストがほどけて、手元がボールの後ろにある状態でコンタクトしてしまっています」

 −ハンドファーストの厳守ですね

 「ただし、それを無理やり腕の動きでハンドファーストを強めても意味がありません。左脇を締めながら体の回転でハンドファーストを強める。正しくは、体が回転するから、結果的にハンドファーストが強まってしまうのです」

 −左脇の締めと体の回転ですね

 「ダウンスイングからインパクトにかけて、体は必ず回転していきます。左脇を締めて、体を回転させたら、自然とハンドファーストは、アドレスよりも強くなります。ハンドファーストが強くなったら、ロフト角も少し立ちます。だからクラブフェースの芯で、ボールの赤道を打つことができるのです」

写真

 「アマチュアは腕の力だけでクラブを振ろうとするから、ハンドファーストが維持できず、ボールの手前でほどけてインパクトをしてしまいます。いわゆる『しゃくり上げ』という打ち方の正体です。これをするとボールには順回転(オーバースピン)がかかりやすくなって、ボールは上がらず、止まりにくくなります。ボールを無意識に上げようとして、逆に上がりにくく、止まりにくいボールを打っているわけです」

 −ポイントはハンドファースト、脇の締め、体の回転ですね。クラブフェースの芯で、ボールの中心を打ち抜く。正しいインパクトは、正しいスイングで手に入れる。「素振りだけはすごい」なんて、とんでもありませんでした。わたしは「素振りシングル」ですらなかったということですね。もっと練習をします

【プロの独り言】攻め方多彩な挑発的コースが好き

 プロですから、どんなコースでも基本的には打てるし、いいスコアを出さなくちゃいけません。でも、長年ゴルフをしていると、どうしても「好き」と「あんまり好きじゃない」が出てしまいます。

 好きなコースは、いろいろな攻め方をさせてくれるコースです。ある選手はドライバーをフェードで打って攻め、ある選手は3番ウッドでドローをかけて打っていく。いわば、コースが選手を挑発してくるようなコースが好きです。

 逆に、チャレンジさせてくれないコースは好きじゃないというか、やっていて飽きます。もうこのホールは、誰が打っても、この攻め方しかできないというコースです。攻め方を選択することができず、ミスをした選手がスコアを落としていくコースです。見てる方も、いろいろな攻め方をする選手がいるほうがワクワクすると思います。いつかそんなコースを、自分でも設計してみたいですね。

 ▼桑原克典(くわばら・かつのり) 1969(昭和44)年4月4日生まれの47歳。愛知県北名古屋市出身。172センチ、71キロ。愛院大時代は「全日本学生」で優勝するなど、同い年の日大・丸山茂樹らとしのぎを削った。1992年にプロ転向。日本プロゴルフツアーマッチプレー選手権などツアー通算2勝。趣味はガーデニングとアユ釣り。得意クラブはパター。ミズノ所属。

取材協力 岐阜セントフィールドカントリー倶楽部 岐阜県関市神野宇宮後3496 TEL:0575−29−0888 http://www.st-field-cc.net/

(毎週木曜日の紙面に掲載。紙面では他に「お手軽エクササイズ」も掲載しています。)

 

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