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【桑原克典の「使えるレッスン」】

切れ目ない動きできてますか?

2016年5月19日 紙面から

トップは意識しないのが上級者

 ゴルファーの悩みの1つにトップのつくりかたがあります。多くのアマチュアゴルファーは、スイングでおきるいろいろなミスの原因をトップの位置にあると考えがちです。桑原克典プロによると、それこそが大きな勘違い。トップに対するプロの考え方はこれだった。 (聞き手と構成 青山卓司)

(1)クラブを立てて持つ。両腕は伸ばす(2)右の脇を少ししめる。シャフトはわずかに右に傾く(3)そのまま肩を右に回していき、上半身だけを回せるだけ回す(4)もう回せないところまで回したら、そこがトップ

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ミスの原因は・・・トップじゃない

 −5月も半ばになり、ゴルフにはとてもいい季節になってきました。それにつれて、読者からの質問も、だんだん増えてきています。今回はトップについて、プロに伺いたいと思います。トップとは、バックスイングから切り返して、ダウンスイングに移る時の両腕の位置のことです。ここの位置に悩んでいるゴルファーを助けてください

 桑原「好きですよね。みなさんトップが。わたしもよく聞かれます。『今のトップの位置は正しいですか』って。逆に聞きたいのですが。なぜ、そんなにトップを気にするのでしょうか」

 −ミスの原因がトップにあるんじゃないかと思っているからです。ボールがあっちこっちに曲がるのも、ダフるのも、トップしてしまうのも。オーバーしてしまうのも、ショートしてしまうのも、原因はトップにあるのではないかと。あるいはトップからの切り返しに問題があるからミスが出るのではないかと思うからです。よく切り返しで速すぎるなんて言われますから。もちろんきれいなトップへのあこがれもありますが

これが桑原プロのトップ。ただしトップの形や位置を意識するよりも、一定の力で、流れを止めずにワンピースでフィニッシュまで振り抜く意識が大切

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 「プロの大半がそうだと思うのですが、トップを気にして振っていません。確かにトップはありますよ。でも、その瞬間だけを静止画像のように切り取って、そこにミスの原因を見つけようとするのは、たぶん、みなさんの勘違いだと思います。トップからの切り返しが速いという言葉も、わたしに言わせれば、ほとんど意味がありません。切り返しは速くても、遅くても、全然構いません。それがちゃんと一連の流れになっていればね。逆にトップを意識すればするほど、切り返しで力が入り、動きがギクシャクしてしまいます」

 −わたし、ゆっくりと振り下ろしたほうがいいと言われて、意識してトップを止めていました。意識の中では1秒くらい止まっています

 「だからトップの位置にこだわるのですね。止まることが一概に悪いとは思わないのですが、青山さん、『はい上げて、はい止めて、はい切り返して』なんて考えながら振ってるでしょう。それだと、どれだけゆっくり振ってもいっしょです。スイングは動き出しから、フィニッシュまで、ずっと一定の力で滑らかに動き続ける。これができていれば、トップが多少間違っていても、ミスは、そんなにおきません」

 −確かにプロのスイングを見てると、すごく動きがスムーズだし、アマチュアはぎこちない。これって理由があったんですね

 「車の運転に例えるなら、スムーズに動きだして、スムーズに止まるのがプロ。アマチュアゴルファーは、トップをつくろうとして、ノックダウンしながら走っているようなものです。もちろん理想的なトップというものはあります。でも、まずは滑らかに動くことが大事です。一定の力で押しながら、スイングしていくイメージです。バックスイングで引いて、ダウンスイングで押して、みたいな動きではなく、クラブをずっと地面に向かって押しながら動いてください。バックスイングも、ダウンスイングも背筋を使って、押し続けていきます。これができたら、常に同じような力感で振れるようになると思います。一定の力感で振ることができたら、たとえば切り返しが速くても、遅くても、トップでいったん止まっても、いいのです。してほしくないのは、ゆっくりとした動きが、切り返しから急に速くなったりすることです。クラブを押しながら、同じ力感を最後まで維持してください」

形にこだわらずあくまで自然に

(下)クラブシャフトが地面と平行になった時、クラブが目標より右を向くことをクロストップとよぶ。悪いトップの見本のように言われているが、あまり気にしなくていいと桑原プロは言う

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 −桑原プロが考える理想的なトップを教えてください

 「簡単ですよ。両腕を伸ばし、クラブを立てて持ってください。ここから右脇を締めます。シャフトが少し右に傾きますよね。そのまま肩を回します。回しきったところがトップです。トップでは体の左サイド。つまり左腕、左の脇腹、左足の外側にテンション(張り)を感じてください」

 −確かに簡単ですね

 「でも、わたしに言わせれば、アドレスから腕だけで上げず、肩をしっかり回せば、結果的にちゃんとこんな感じになりますよってことなんです。多少クラブフェースがシャットになったり、オープンになったり、シャフトがクロスになっても、それは問題ないと思います。肩甲骨周りの可動域や、上半身の柔軟性は、人によって異なります。横峯さくらちゃんやジョン・デーリーのように、肩さえ回れば、どれだけ回しても構いません。トップに関して言えば、形にそれほどこだわらなくていいと思います」

【プロの独り言】大事な暑さ対策

 初夏の陽気になりましたね。5月に入って、20度を超える夏日も増えてきました。日差しも、もう夏を思わせる強さです。暑さ対策を取り上げます。

 ゴルフはプレー時間が長くて、しかもアウトドアスポーツ。水分補給はすごく大切です。わたしの場合、ティーショット前に水を飲むことを夏に限らずルーティンにしているほどです。水分補給は、こまめに。のどがかわいたと思った時は、すでに脱水症が進んでいると思ったほうがいいですよ。

 もう一つ。日焼け対策もしたほうがいいです。最近は男性でも日傘を差すことが珍しくなくなりつつあります。ゴルフ場でも日傘を差してプレーしている男性を見かけるようになりました。日傘とともに日焼け止めクリームも塗ったほうがいいです。肌へのダメージを防ぐ意味もありますが、日焼けって意外に疲れるんです。日焼けをするだけで、相当にスタミナを奪われることを知ってください。暑さ対策はスコアに直結しますよ。

 ▼桑原克典(くわばら・かつのり) 1969(昭和44)年4月4日生まれの47歳。愛知県北名古屋市出身。172センチ、71キロ。愛院大時代は「全日本学生」で優勝するなど、同い年の日大・丸山茂樹らとしのぎを削った。1992年にプロ転向。日本プロゴルフツアーマッチプレー選手権などツアー通算2勝。趣味はガーデニングとアユ釣り。得意クラブはパター。ミズノ所属。

取材協力 岐阜セントフィールドカントリー倶楽部 岐阜県関市神野宇宮後3496 TEL:0575−29−0888 http://www.st-field-cc.net/

(毎週木曜日の紙面に掲載。紙面では他に「KARADAれしぴ」も掲載しています。)

 

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