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【桑原克典の「使えるレッスン」】

短い距離のパー5なのに… 最短ルート攻めてませんか? 思わず力んでミス誘発する

2016年4月21日 紙面から

 「ラウンドにすぐに使える即効レッスン」の第3弾は、パー5のマネジメント。パー5をどう攻略するかは、スコアにそのまま直結するほど大切。マネジメント次第で、アマチュアが一番パーを取りやすいのがロングホールだからだ。桑原プロが語る、マネジメントの神髄を紹介する。 (聞き手と構成 青山卓司)

右サイドのOBを避けて攻めることが大切。左サイドのバンカーに入れたくなければ、絶対に届かない番手のクラブを選択する

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「ゴルフはメンタル」ミスればあせる

 岐阜セントフィールドカントリー倶楽部の5番ホールは、レギュラーティーから487ヤードという比較的短いパー5。どんな攻め方が有効なのか、桑原プロに聞いた。

 −距離が短いロングホールというのは、3打でグリーンに乗せて、確実にパーを取りたいですね。どんな攻め方をするのが有効なのでしょうか

 桑原「距離の長いパー5と短いパー5では、設計者の意図が変わります。距離の長いホールは距離がそのまま難易度になります。ですからホールそのものは比較的素直につくられているものが多い。短いホールは、距離で難易度を出せない分、レイアウトなどで難易度を出していきます」

 −難易度とは具体的に言うと、どういうことでしょうか

 「フェアウエー(FW)を狭くする、コースの起伏を強くする、バンカーを深くする、池や川を配置する、OBゾーンを張り出す、立ち木を配置する、コースを曲げてドッグレッグにするなどですね。グリーンもミドルホールに比べると、起伏が激しいことが多いですね」

 −距離が短いホールはわなが多いということですね。大たたきをしてしまうのは、そのわなにはまっているのか!

右に立ち木の奥にグリーンがある。桑原プロ(右)にとって、木はまったく邪魔にならないので、グリーンを直接狙っていった。これがプロのマネジメント。アマチュアの青山はFW方向に刻んだ。これがアマチュアのマネジメント。技量によって当然、攻め方は変わる

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 「このコースを例に取ると、ティーグラウンドから見てFWの左サイドにバンカーがあります。右サイドはOB。だから狙いは左サイドです。ティーグラウンドからバンカーまでは約180ヤードで、少し打ち上げ。飛ぶ人はバンカー越えを、自信のない人はバンカーに届かないクラブを選択するという手もあります」

 −飛ばない人が、さらに短いクラブを持つのですか

 「そうです。誤解されている人が多いのですが、マネジメントというのは、最短のルートを見つけることや、最少のスコアで回る方法を見つけることだけではありません。むしろアベレージゴルファーにとってマネジメントとは、危険を回避し、いかに楽な気持ちでスイングができるのかを考えることです。アマチュアの方は、安心して振ることを軽視しすぎているように思います。『ゴルフはメンタル(気持ち)』と言いますよね。この言葉の意味は、それほどスイングにメンタルが影響するということです。安心してスイングができれば、リズムがよくなる。力みもなくなる。動きがスムーズになる。つまりミスの原因が相当に減るということです。だからナイスショットの確率も高くなる。この安心して振ることができるクラブを探すことこそが、マネジメントの本質と言ってもいいのです」

無理して飛ばすより広いFW狙おう

ユーティリティーで刻むのか、6Iで刻むのか?答えは6I。刻むなら、それに徹底するべし

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 −「ゴルフはメンタル」って、強い気持ちでゴルフをしろくらいの意味だと思っていました

 「では青山さん、打ってみてください」

 青山はドライバーで左サイドを狙ってFWの左側に打った。

 「第2打は残り220ヤードほど。今度は何を選択しますか」

 −3番のフェアウエーウッド(FW)でグリーンを、と言いたいところですが、右ドッグレッグのコースで、林に隠れてグリーンが見えません。だから刻みます。5番のユーティリティー(UT)で185ヤードを真っすぐ打ちます

 「私が青山さんだったら、180ヤード先の狭いFWよりも、6番アイアンで、広いFWを確実に狙います。120ヤードくらい残るけど、中途半端な距離を残すよりも、得意な距離を残したほうがいい時もあります」

 −少しでもグリーンに近づきたいという欲求を抑えるのですね

ピンまで120ヤード。かなり冷え込んで、ボールも飛ばなくなっているため、8Iを選択。少しオーバーしたが、グリーンエッジまで運べた

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 「やみくもにグリーンに近づくというゴルフもわたしのレッスンで捨てましょう。練習もあまりしていない距離を打つよりも、楽にフルスイングができる距離を残すことの方が安心してスイングができます。例えば40ヤードをサンドウエッジで加減して打つよりも、110ヤードをピッチングウエッジで打つほうが成功する確率は高くなると思います。ボールにスピンもかかるから止まるし、加減しない分、しっかり打てますから。失敗が恐くてドキドキしながら打つときはミスショットになりやすいし、逆に自信を持ってワクワクしながら打てるときは、成功するものです。この成功体験を積み上げていくことがゴルフでは大切なんです」

 6番アイアンを選択した青山の第2打はFW右のラフへ。残り120ヤード。8番アイアンで打ったボールはグリーンエッジのカラーに。4打目をパターでOKに寄せて、パーでこのホールを終えることができた。

【プロの独り言】やってはいけない時の「お先」

 「お先」という言葉がゴルフにはあります。パットがカップをわずかにはずれてしまった時、同伴プレーヤーに次のパットを譲らず、自分が先に打ってホールアウトすることを指します。「お先」にパットをするから、通称「お先」。プレーの流れがスムーズになるし、リズムもよくなるという利点があります。でも、やってはいけない時もあります。

 その1 無理な体勢でパットをしなければならないとき。同伴プレーヤーのパッティングラインを踏まないようにと、体勢が無理なまま打つのは、ミスのもと。

 その2 悔しいパットをはずして、頭に血がのぼってしまっている時。短くてもはずしてしまう危険性があります。冷静になれるまで、マークをしましょう。

 その3 同伴プレーヤーを待たせたくないあまり、あわてて打つケース。この場合も、短くても失敗の確率は高くなります。「お先」はリズミカルに、でも慎重に。

 ▼桑原克典(くわばら・かつのり) 1969(昭和44年)4月4日生まれの47歳。愛知県北名古屋市出身。172センチ、71キロ。愛院大時代は「全日本学生」で優勝するなど、同い年の日大・丸山茂樹らとしのぎを削った。1992年にプロ転向。日本プロゴルフツアーマッチプレー選手権などツアー通算2勝。趣味はガーデニングとアユ釣り。得意クラブはパター。ミズノ所属。

取材協力 岐阜セントフィールドカントリー倶楽部 岐阜県関市神野宇宮後3496 TEL:0575−29−0888 http://www.st-field-cc.net/

(毎週木曜日の紙面に掲載。)

 

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