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【井上透の最先端メソッド】

正しくバンカーを打つために自分のレベルを把握しましょう

2019年12月26日 紙面から

 今回はバンカーショットについて、初級者用と上級者用に分けて説明します。バンカーショットはダフらせて打ちますが、初級者と上級者とでは「ダフる」ことへの考え方が違います。自分のレベルをきちんと把握しておかないと、正しいバンカーショットは打てません。 (取材・構成 堤誠人)

上達でホームランが

 ほとんどの人はバンカーショットを苦手にしていると思いますが、一部のアマチュアには、アプローチは苦手だけどバンカーショットを得意にしている人がいます。これは、安定してダフっていることが原因です。

 つまり、バンカーショットはダフることが必要なのです。なので、初級者は特別な意識を持たないことです。毎回、安定した軌道でショットが打てていない人はバンカーショットと思わず、何も考えないことが正解です。アドレスは平行、ボールを置く位置も普通でいいでしょう。

 こういう人が上達すると、やがてホームランが出るようになります。実力が上がり、あまりダフらなくなるからです。そして、「最近はバンカーの調子が悪い」と言うようになります。この段階で、意識してダフるために打つ上級者用へ切り替えればいいと思います。

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引いた線 たたけるか

 自分が初級者かどうかを見分ける方法は簡単です。バンカーに線を引き、その線をたたいてみてください。初級者は線をたたけません。そういう人は、アドレスを真っすぐにして球をしっかり打とうとしてもダフるので、初級者用でいいと思います。

 これが、きっちりと線の手前をたたけるようになると、意識的にダフる上級者用のバンカーショットが必要になります。つまり、自分でクラブヘッドをどこに落とすかをコントロールするバンカーショットです。

 では、上級者用のバンカーショットについて説明します。通常、バンカーから打つ時は「フェースを開いて、足も開いて」と言われます。ただ、フェースを10度開くと足も10度開く、というものではありません。

 今は、フェースの開きの方が、クラブの軌道よりも4倍の意味があると言われています。仮に、フェースがインパクトの時に5度開くと、クラブの軌道を20度くらいカットしないと相殺されないということです。

 なので、感覚的にはフェースを少しだけ開き、アドレスはその4倍開くということになります。そうすれば真っすぐ飛びます。右に出ていたら開きすぎ、左に出たら開く量が足りないということで、フェースの開き具合を調整してください。

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バンス先に出てくる

 フェースを開き、アドレスを開くことによって、バンスと呼ばれるフェースの手前の部分が先に出てダフりやすくなります。ダフることが目的なので、このように構えるのです。

 ダフることが目的なので、球の高さにもよりますが、アゴがあるバンカーショットの場合は球を少し左に置いた位置で構えます。手の位置もアプローチのようにハンドファーストにせず、少し中寄りで構えます。膝も曲げます。

 これら全てのことは、クラブヘッドが地面に届きやすくするためです。つまり、ダフりやすくするためです。なので、初級者が「バンカーショットはこう打つべきだ」と上級者から言われると、その通りに打っても当たりません。これは、上級者用の打ち方がダフることを目的にしているからです。もともとダフる初級者は、ダフりの要素を持つバンカーショットを打てない、ということになるのです。

 自分のレベルを把握することが、バンカーショットを上達させるコツです。ダフりやすい初級者なのか、少なくともダフる心配がない中級者や上級者なのか。それによって、バンカーショットの考え方を変えることが大切なのです。

【井上透のひとりごと】

ルール変更選手にとってもメリット

 今年からゴルフのルールが変わりました。ティーインググラウンド(ティーグラウンド)がティーイングエリア、ウオーターハザードがペナルティーエリアと呼び方が変わったり、ドロップをする際に膝を曲げて球を落としたりするようになりました。

 当初はプロでも間違うことがありましたし、戸惑いもありました。しかし、今ではすっかり浸透したようです。

 カップにピンを差したままパッティングできるようになったことも、大きく変わったことの一つです。当初、選手は距離に応じてピンを差した場合と差さない場合で打ち分けるなど、いろいろ試したと思います。

 一度でも球がピンに弾かれたり、弾かれるシーンを見たりするとピンを抜きたくなります。今では、近い位置だとピンを抜く選手が圧倒的に多いのではないでしょうか。

 プロは対応力が優れています。今回のルール変更で最大の目的は、プレーの簡素化でした。選手にとってもメリットがあったと思いますし、良い改訂でした。

 <井上透(いのうえ・とおる)> 1973(昭和48)年4月3日生まれ、横浜市出身の46歳。大学生の時に渡米し、ゴルフ理論を学ぶ。97年に日本初のプロコーチとなり、現在は成田美寿々や穴井詩らを指導。世界ジュニアゴルフ選手権の日本代表監督を務めるなど、ジュニア育成にも力を入れる。2016年から東大ゴルフ部監督。

 取材協力 横浜本牧インドアゴルフ練習場(横浜市中区本牧原15の6グロブナースクエアB1)(電)045(228)7739

(毎週木曜日の紙面に掲載)

 

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