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【井上透の最先端メソッド】

3種類のアプローチショットは段階的に習得しましょう

2019年12月19日 紙面から

 今回はアプローチについて詳しく説明します。グリーン手前からのアプローチショットは、キャリーとランの比率によって日本では3つに分類されます。このうち、まず覚えておきたいのがランニングアプローチです。今回は、ここに重点を置きます。あまり難しいショットを覚えようとせず、まずは易しいアプローチから覚えていきましょう。(取材・構成 堤誠人)

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キャリー&ランの比率

 アプローチショットは、海外ではピッチショットとチップショットに分類されます。ピッチショットはキャリーが多くてランが少ないアプローチ、チップショットはキャリーが少なくてランが多いアプローチです。

 ただ、この呼び名は日本ではなじみがありません。日本では(1)ピッチショット(スピンアプローチなどとも呼ばれる)(2)ピッチ&ラン(3)ランニングアプローチに分類されます。

 ピッチショットはキャリーが多くてランが少ないアプローチ、ランニングアプローチはキャリーが少なくてランが多いアプローチです。そして、ピッチ&ランはキャリーとランの比率がほぼ同じくらいのアプローチです。日本で最も多く使われているのがこのピッチ&ランです。

 このうち、マスターしなければならないのはピッチ&ランとランニングアプローチです。ゴルフを始めて間もない時は、まずランニングアプローチを覚え、それからピッチ&ラン、ピッチショットの順に習得します。

8か9番アイアンが◎

 つまり、レベルアップと同時に覚えたいアプローチが変化していくわけです。スコアが120くらいの人は、まずランニングアプローチを覚えてください。そして、100を切ろうかという人はピッチ&ランを、70台を狙う人はピッチショットを、と段階的に習得すれば良いと思います。なので、あまりレベルが高くないのにピッチショットを覚えようとすることは、やめた方がいいでしょう。

 では、ショットの打ち方を説明します。ランニングアプローチを打ちたければ、8番アイアンか9番アイアンで十分です。

 番手の小さいアイアンは、構えている時にロフトが立っています。つまり、球に当てやすいわけです。ロフトが上を向いていると、ボールの下の方にきっちり入らないと当たりません。でも、垂直のものが当たるとダフるイメージはしないでしょう。ロフトが立っているだけで、ミート率は上がるのです。ここに、ランニングアプローチのメリットがあります。

 打ち方は(1)スタンスを狭く(2)右足の内側の前に球を置く(3)だいたい左肩からクラブが一直線になるように構える(4)あまり手首を使いすぎず、パターのような要領で軽く打つ(5)あまり頭が動きすぎないように打つ(6)足踏み程度のフットワークがあること、が主なポイントです。これはスコアが120くらいの人を対象にしたものなので、細かい部分はいいと思います。

(1)スタンスは狭くボールは右足内側の延長線上 (2)左肩からクラブが一直線になるように構える (3)手首は使いすぎずパターのように軽く打つ (4)あまり頭は動きすぎない足踏み程度のフットワークを使う

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コースに出て調べよう

 ピッチ&ランの打ち方も同じ要領です。100を切るための技術は変わりません。ただ、現実にはハンドファーストに当たらないことがあるため、最もロフトが寝ていると思っている58度のウエッジよりも52度の方がキャリーとランの比率が1対1になる可能性があります。

 なので、これは自身がコースに出て、なるべく平らな所で打ち、キャリーとランが同じくらいの割合になるクラブを調べてみれば良いと思います。それができてから、最後にハイレベルなピッチショットを覚えたらいいでしょう。

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【井上透のひとりごと】

SNS乱立 情報過多時代のコーチの役割

 選手のオフの過ごし方が変わってきました。昔は「○○軍団」のようにトップ選手を中心に集まっていましたが、最近は指導者を中心に集まるようになっています。

 選手は自分の経験値などからしか指導できません。しかし、コーチは知っている情報を選手に提供することができます。

 現代のゴルフは「知る」ということから始まります。現代はSNSに情報が乱立しているため、そこから自分に合う情報が何かを整理することが大事になっています。選手にとって、情報をコーチが整理してくれることは、やりやすい部分なのかもしれません。

 情報網が発達していなかった頃は、トップ選手の打ち方など、実際に接することでしか仕入れることのできない情報がありました。つまり、情報を取るため、師弟関係を結ぶなどしてトップ選手の下に集まっていたのです。

 一方、情報過多の現代は、情報を制限するためにコーチを通しているのです。コーチの役割は、手に入れた情報をどう活用するのかを考えることです。「この選手がツアーで通用するためには、ここが弱い。ではどうするか」という問いに答えるため、必要な情報を提供しているのです。

 <井上透(いのうえ・とおる)> 1973(昭和48)年4月3日生まれ、横浜市出身の46歳。大学生の時に渡米し、ゴルフ理論を学ぶ。97年に日本初のプロコーチとなり、現在は成田美寿々や穴井詩らを指導。世界ジュニアゴルフ選手権の日本代表監督を務めるなど、ジュニア育成にも力を入れる。2016年から東大ゴルフ部監督。

 取材協力 横浜本牧インドアゴルフ練習場(横浜市中区本牧原15の6グロブナースクエアB1)(電)045(228)7739

(毎週木曜日の紙面に掲載)

 

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