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【井上透の最先端メソッド】

シャローイングが起きて球を正確に捉えやすくなります

2019年11月28日 紙面から

 今回は、クラブの「寝る」「立つ」問題について説明します。スイングの際にクラブが寝る、クラブが立つ、と表現することがあります。これは、どういう意味でしょうか。正しいタイミングで「寝る」「立つ」の動きをしなければ、球を正確に捉えることが難しくなります。ポイントは、腕をリラックスさせること。さあ、皆さんも力を抜いてスイングしてみてください。 (取材・構成 堤誠人)

体の前方か後方か

 スイングについて語る時、「クラブを立ててスイングしろ」「クラブを寝せてスイングしろ」という表現をすることがあります。例えば、ジャンボ尾崎さんは「クラブを立ててスイングしろ」「クラブを立てた方が真っすぐ飛ぶんだ」と、よく言っています。感覚としては、よく理解できます。

 ただ、クラブは常に立っているわけではありません。そもそも、どこの面に対して立っているのか、寝ているのか、を理解することが重要です。

 例えば、バックスイングを振り上げる時、後方から見てグリップエンドとクラブヘッドが重なるように上がっていくことを「真っすぐ上がる」と表現します。この時、クラブヘッドが体の前方へ出ていると「立っている」、体の後方へ倒れていると「寝ている」となります。

 バックスイングの時は基本的に、グリップエンドとヘッドが重なっているか、もしくは体の前側にキープしておきたいものです。つまり、「立って」上がっているわけです。そして、切り返す時は下半身主動で動いていくのでグリップエンドが先行し、ヘッドが後方に倒れます。この動きによって、クラブが「寝る」わけです。

「立つ」「寝る」混在

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スイングの前半でクラブが寝ている

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 最近、シャローイングという言葉を耳にします。この、ヘッドが倒れる動作をシャローイングと言います。

 下半身が適切に動きだして、クラブが寝ることによって、グリップエンドがベルトの高さの辺りに近づくあたりの後半部分から、今度はヘッドが立ってきます。これでお分かりのように、スイング中には「寝ている」場面と「立っている」場面が混在しているのです。

 バックスイングを上げる時にはクラブが立っています。次に、下半身が切り返すことによって倒れて、寝る状態になります。そして、後半はグリップエンドが体に近づくことによってクラブヘッドが立ってくるのです。

 多くのアマチュアの方は、切り返す時にクラブが立ってしまい、体の前方に振り出してしまいます。なので、インパクトの時には伸び上がってしまい、前傾角が崩れるような、クラブが寝るという動作になってしまいます。正しい動きとは逆になっているのです。

 プロは前半に寝てから後半に立ちますが、アマは前半に立ってから後半に寝ます。これがプロとアマの違いです。

前傾角が崩れる…

 では、寝てから立つようなスイングをするには、どうすればいいのでしょうか。それは上半身、特に腕をリラックスさせることです。スイングの際、下半身からきれいに切り返していくことでシャローイングが行われます。だから、腕をリラックスさせないといけないのです。

 切り返しで上半身に力が入ると、腕が硬くなり、クラブが立ってしまいます。この動きだと球は当たりません。そこで、最後は前傾角を崩すことによって当てに行くという、アマらしいミスをしてしまうのです。

 切り返しでは腕がリラックスすることによって、ヘッドが倒れるシャローイングが起こるのです。決して意識的に行う動作ではありません。プロゴルファーとアベレージゴルファーのクラブの動きの違いは、この動きにあるのです。

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【井上透のひとりごと】

飛距離の伸びにゴルフ場がついていけない時代がくる?

 最近はプロゴルファーの選手寿命が延びています。これは、トレーニング方法の進歩や選手の姿勢はもちろんですが、道具の進化による影響も見逃せません。

 年齢を重ねるにつれて、選手の飛距離は落ちていきます。ただ道具の進化で、そのことを感じさせないようになっています。実際、年を取っても飛距離が変わらないと感じている選手は多いようです。シニア選手の場合も、飛距離の衰えと道具の進化が絡み合い、あまり飛距離が変わっていないのが実情です。

 逆に、今の若い選手は飛距離が伸びています。300ヤードを飛ばす選手も珍しくありません。今後は、ゴルフ場が飛距離の伸びについて行けなくなるような時代が来るかもしれません。

 ベテラン選手について言うと、ジュニア育成の早期化や選手の早熟化による影響を受けるようになりました。このため、ベテラン選手のフィジカル面が許しても、若い選手の勢いに押し出されるようになってきています。

 ベテランと若手のせめぎ合いも、見どころの一つになりました。

 <井上透(いのうえ・とおる)> 1973(昭和48)年4月3日生まれ、横浜市出身の46歳。大学生の時に渡米し、ゴルフ理論を学ぶ。97年に日本初のプロコーチとなり、現在は成田美寿々や穴井詩らを指導。世界ジュニアゴルフ選手権の日本代表監督を務めるなど、ジュニア育成にも力を入れる。2016年から東大ゴルフ部監督。

 取材協力 横浜本牧インドアゴルフ練習場(横浜市中区本牧原15の6グロブナースクエアB1)(電)045(228)7739

(毎週木曜日の紙面に掲載)

 

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