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【井上透の最先端メソッド】

ボール位置とヘッドの軌道との関係を理解しましょう

2019年11月7日 紙面から

 今回はボールの位置と、クラブの軌道の関係について説明します。打つ時は、どの位置にボールを置くようにして立てばいいのでしょうか。「左かかと内側の延長線上がいい」と思う人が多いでしょう。もちろん、間違っていません。ただ、このことは番手によって、目的に応じて、など状況しだいで変化します。このことを正しく理解すれば、全体の軌道をどうするか、ボールの位置をどう操作するかによって、いろいろな球を打ち分けられるようになります。 (取材・構成 堤誠人)

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正しくクラブが遅れる前提

 一般的に女子プロは、男子プロよりも少し左寄りにボールを置きます。女子プロにとって、ボールが上がることが飛距離に直結するからです。

 同様に、アマチュアゴルファーも何を優先して考えるかによって、ボールを置く位置が決まるということになります。

 ただ、クラブを振り下ろす時に手首を戻す動き(リリース)が早いと、ヘッドが早く地面に着くため右寄りにボールを置きたくなります。なぜなら、ダフるからです。ヘッドが右側に落ちると、「右に置いた方が当たるよね」という感覚になってしまうのです。

 なので、これから説明する内容は、ある程度、正しくクラブが遅れてきて、それなりにいいタイミングでリリースできていることが前提だと考えてください。

 分かりやすいように、フラフープを使ってクラブの軌道を説明します。トップに上がったところから下りてくると、輪の中をヘッドが動く状態になります。

 ボールが右寄りにあると、クラブはまだ下りている途中で、なおかつ内側から下りてきているということが分かると思います。フラフープの最も下の地点にボールがあると、クラブは払うような動きで、ようやく真っすぐに動きます。ボールが左寄りにあると、クラブは下から上への動作で、内側に振り抜けるカット方向の動作になります。

悪いライ・強風時は右寄り

 一般論として、スプーンのような払い打ちをするクラブの場合、ボールはフラフープの最も下の地点に置きます。パワーのないアマチュアならユーティリティーか、あるいは7番アイアンくらいまでは上から打ちませんよね。なぜなら、上から打つとボールが上がらないからです。

 ドライバーを打つ時にティーアップをするのも、このことと関係があります。アッパーで打つから左寄りに置きたいけど、なかなかうまく当たりません。だから、ティーアップをするのです。そして、ライが悪い時や風が吹いて低い球を打ちたい時などはボールを右寄りに置きます。

 プロの場合、ボールを右寄りに置くとドローボール、左寄りに置くとフェードボールが出やすくなります。

 ただ、アマチュアの場合はダウンスイングした時にリリースしてしまうので、ヘッドが右足の前に落ちてしまいます。こうなると「ヘッドが右足の前に落ちるとボールは左に置けないだろう」という考えになります。

 では、どうすれば正しいリリースのタイミングをつかむことができるのでしょうか。素振りの時、鼻や左目の前のあたりでヘッドが地面とすれるように振ってください。このように練習してリリースのタイミングを適切にすれば、これまで説明したようなパターンになります。

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理解できればボール操れる

 このことを理解すれば、どうすればフェードボールやドローボールを打ちやすくなるかが分かります。

 オープンスタンスで立った時にボールを右寄りに置くと、カット軌道になるのでフェードボールを打とうとしても真っすぐに飛んでしまいます。この場合、ボールを正面か左寄りに置くとスライスをかけやすくなり、フェードボールが飛びます。

 逆に、ドローボールを打とうと思って全体の軌道を右に向けた時、ボールを左寄りに置きすぎるとフェードがかかって真っすぐ飛ぶことが多くなります。ドローをかけようとする場合、ボールを正面か右寄りに置けば打ちやすくなります。

 このように、ヘッドの軌道とボールの位置を正しく理解することで、ボールを操ることができるようになります。頑張って練習してください。

【井上透のひとりごと】

運動機能が低くても…時間をかけてひたむきに取り組めば補える

 東大のゴルフ部員は、約8割が未経験で入部してきます。その後の上達具合は部員それぞれですが、他のスポーツの経験者や運動機能が高い選手は上達が早いという傾向があります。

 ゴルフの場合、遅い年齢で競技を始めると、運動機能や身体能力が短期的な上達に大きく影響します。そのようなことも、部として調査したり取り組んだりしています。

 運動経験がないのに運動機能が高いという人は、ほとんどいません。小さいころから何らかの身体機能を使った遊びをやっていることが、どのスポーツにおいても重要なのです。

 大学のゴルフ部は活動期間が4年弱と短いため、体が小さい選手や運動機能が低い選手にとって難しい場合があります。

 しかし、5〜10年といった長いスパンで考えると、運動機能が低くても上達する場合があります。時間をかけて、性格やひたむきさで体格などのハンディを補うことができるからです。

 なので、指導する時もそれぞれの選手のタイプによって指導方法を変えなければいけないと思っています。

 <井上透(いのうえ・とおる)> 1973(昭和48)年4月3日生まれ、横浜市出身の46歳。大学生の時に渡米し、ゴルフ理論を学ぶ。97年に日本初のプロコーチとなり、現在は成田美寿々や穴井詩らを指導。世界ジュニアゴルフ選手権の日本代表監督を務めるなど、ジュニア育成にも力を入れる。2016年から東大ゴルフ部監督。

 取材協力 横浜本牧インドアゴルフ練習場(横浜市中区本牧原15の6グロブナースクエアB1)(電)045(228)7739

(毎週木曜日の紙面に掲載)

 

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