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【井上透の最先端メソッド】

トッププロの「クロージャーレート」傾向を理解しましょう

2019年10月31日 紙面から

 今回は、皆さんが聞き慣れない言葉を説明します。「クロージャーレート」という言葉をご存じですか? これは、クラブがインパクト時に回転する時のスピードを指します。最近はスイングを解析する「ギアーズ」や、弾道を測定する「GCクワッド」などの最先端機器を使って上達を図ることができるようになりました。もちろん、そのような機器がなくても正しいスイングを身に付けることはできます。キーワードは「2本目のバットはバントのように」です。 (取材・構成 堤誠人)

インパクトの瞬間はフェースの正面で捉えている

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フェースが回転する速度

 前回、クラブの構造はシャフトを1本目のバット、フェースを2本目のバットと考える、という話をしました。この2本目のバットがどれくらいで回るのか。このスピードを表したものがクロージャーレートです。

 上手な選手は、インパクトに向けてクラブが徐々に球を包み込むように動きます。開いているところから、かぶる方向へ行き、当たった時は平行になる、ということは何となく分かると思います。数値を計測してみると、トッププロは皆、似たような傾向があるということが分かっています。

 ということは、上手な選手に共通していることを皆さんができれば、皆さんも同じようにいい球が打てると考えてもいいと思います。

 もちろん、フェースが開いても、閉じてしまっても球は真っすぐ飛びません。インパクトでフェース面を正確にコントロールするためには、2本目のバットが徐々にクローズしていくことが重要なのです。

 では、どうすればそのようなスイングを身に付けることができるのでしょうか。プロでも上手な選手であればあるほど、フェースがかぶっていく挙動が少なくなります。

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急に閉じることはない

 簡単に言えば、パターのようなものです。短い時間で、フェースが閉じたり開いたりはしません。球を打つ時には球の周辺しか見えていません。ということは、視界に入るインパクトの辺りでは、クラブが開いている状態から急に閉じることはないということです。

 クラブが右足の前くらいに来た時は、フェースが球を見ている状態です。フェースが開いているということは、球が見えていないということです。つまり、球に当たる前にはフェースがすでに捉える態勢になっていて、そのまま自然に行けば平行に当たるということです。芯に当たれば、クラブがたわみなく徐々にクローズしていく、ということが大事なのです。

 1本目のバットは振りますが、2本目のバットはバントだと言ってもいいでしょう。2本目のバットはフルスイングするのではなく、センター前にバントをするという感じでしょうか。

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開いて入ってこないよう

 そのようなスイングをするためには、インパクトの時にフェースが開いて入ってこないようにする必要があります。皆さんは2本目のバットへの意識がほとんど欠けています。フェース面への意識がないから開くのです。フェース面がちゃんと球の方を向いて、そこからバントをする、という感じで振ればフェースが開かずに入ってきます。この意識を持ってください。

 今回、説明したことを数値として表したのがクロージャーレートです。ハイテク機器を持っていなければ数値の測定はできませんが、意識だけでも持ってください。

 現在、いろんな機器に囲まれたプロがどのような傾向で球を打っているのか。当然、プロはトレジャーレーティングの数値が正しいということを理解するだけでもいいと思います。

 「2本目のバットはバントのように」。あまり開いたり閉じたりしないように、という意識で十分です。ぜひ、試してください。

【井上透のひとりごと】

日本にゴルフの面白さもたらしたZOZO大会

 日米両ツアー共催のZOZOチャンピオンシップでタイガー・ウッズ選手(米国)が優勝しました。この大会は、日本のゴルフ界にとっても大きな意義があったと思います。

 今回は世界トップクラスの選手が多く参戦し、ハイレベルな大会となりました。そんな中でウッズ選手がサム・スニード選手(米国)に並ぶツアー通算82勝目を挙げた意義、手術明けで再起を懸けた試合に勝った意味など、いろんなドラマが日本で生まれました。こんなことは、なかなかないことです。

 この大会は6年間、開催するという契約が結ばれているようです。今回の優勝で、ウッズ選手がディフェンディングチャンピオンとして来年も来日する可能性が出てきました。今回、ゴルフファン以外の人にも、「何だ、このイベントは」という興味を呼び起こしたと思います。日本にゴルフの面白さをもたらしたことは、今後につながるのではないでしょうか。

 今や、ゴルフビジネスは男女とも米国だけにとどまりません。マーケットの視線は世界に向けられています。PGAツアーにとっても大成功だったと言えるでしょう。

 <井上透(いのうえ・とおる)> 1973(昭和48)年4月3日生まれ、横浜市出身の46歳。大学生の時に渡米、ゴルフ理論を学ぶ。97年に日本初のプロコーチとなり、現在は成田美寿々や穴井詩らを指導。世界ジュニアゴルフ選手権の日本代表監督を務めるなど、ジュニア育成にも力を入れる。2016年から東大ゴルフ部監督。

 取材協力 横浜本牧インドアゴルフ練習場(横浜市中区本牧原15の6グロブナースクエアB1)(電)045(228)7739

(毎週木曜日の紙面に掲載)

 

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