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【井上透の最先端メソッド】

シャフトとフェースの関係を知ってミスの原因を分析しましょう

2019年10月24日 紙面から

左手で持っている1本目のバットをシャフト、右手で持っている2本目のバットをフェースと思ってみよう

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 今回は、ゴルフクラブの基本的な構造についての話です。なぜ真っすぐに飛ばないのか、で悩む人は多いと思います。これは、クラブの構造が分かっていれば解決に近づくことができます。シャフトとフェースの関係をご存じですか? どちらが真っすぐ飛ばない原因なのかが分かれば、たちどころに対処法が見つかります。特に、スライスのクセが直らない人は必見です。 (取材・構成 堤誠人)

野球選手100%スライス

 ゴルフが難しいのはなぜでしょうか。理由はいろいろありますが、クラブの構造を理解していないことも理由の一つに挙げられます。

 分かりやすく言えば、ゴルフクラブは野球のバットが2本つながっていると考えてみればいいでしょう。握っている1本目のバットがシャフトで、先に付いている2本目のバットがフェースです。

 1本目のバットの役割は軌道をつくること。そして、2本目のバットの向きによって方向が決まります。もしトップの位置がきれいに決まり、1本目のバットがきれいに動いても、2本目のバット、つまりフェースが開いていれば、間違いなくスライスになって球は右に飛んで行ってしまいます。

 初心者がスライスを打つ最大の理由は、1本目のバットを管理できないのではなく、2本目のバットの向きを管理できていないからです。

 プロ野球選手がゴルフを始めると、ほぼ100%スライスを打ちます。なぜなら、1本目のバットを振る能力はとてつもなく高いのですが、2本目のバットでフェースの向きをコントロールしたことがないからです。

 彼らはいきなり飛ばしますが、曲がりますし、スライスしますし、OBも打ちます。初めてゴルフをプレーしたプロ野球選手は「ゴルフは簡単じゃないな」という印象を持つでしょう。

2本それぞれ別の運動

 実験をしてみましょう。クラブを指でつまみ、振り子のように動かします。この時、フェースの向きは開閉していません。そして、シャフト軸をくるくると回しても振り子の動きに影響はありません。つまり、クラブが正しく動く遠心力とフェースが回転する動作は、分離して動かすことができるということです。

 では、この回転する動作は、人間の体のどの部分でやっているのでしょうか。フェースが回転するのは、前腕部の車軸関節と呼ばれる部分が回るからです。つまり、前腕部の動きが2本目のバットをコントロールしているのです。

 フェースの向きを決める動きは、前腕よりもかなり前で管理されている動きだということが分かるでしょう。2本目のバットに対する意識は、ものすごく大切なことなのです。

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左手 手のひら側に折る

 右に飛んだりスライスしたりするということは、確実にフェースが開いているということです。初心者の場合はフックグリップで握るとか、最初から2本目のバットをかぶせた形で握ることでもいいと思います。もっとうまくなりたいという人は、バックスイングの時に左手を手のひら側に折るという動きをすることが特効薬になると思います。

 ゴルフクラブの考え方というのは、クラブの軌道を構成する1本目のバットがどう動いているのか。クラブフェースを管理している2本目のバットがどう動いているのか。この2つの軸で考えると、ミスをもっと正しく分析できると思います。

 自分の球を見て、どちらがダメなのかを判断してください。軌道がダメなら、体の使い方に問題があるかもしれません。フェースの向きの管理がダメなら、グリップや前腕より前の動き方が良くないのかもしれません。これを見極めて、しっかり練習してください。

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【井上透のひとりごと】

アマ杉原が下部ツアーV「黄金世代」男子も実力あり

 11日まで行われた男子の下部ツアーで、アマチュアの杉原大河選手が優勝しました。これは片山晋呉選手、小平智選手に続く3人目の快挙です。

 各種の報道ではほとんど報じられませんでしたが、これは相当な出来事です。杉原選手は東北福祉大の2年生。私は学生の大会を見る機会が多いのですが、ようやく自分の力をプロのフィールドで見せてくれました。

 大学3年にあたる「黄金世代」が騒がれている女子と同じように、男子も大学2〜4年の世代は力のある選手がそろっています。今年のマスターズでも活躍した東北福祉大3年の金谷拓実選手をはじめ、杉原選手と同級生の米沢蓮選手ら20人近い選手は、今の時点でもプロのツアーで通用する実力を持っています。

 このことが知られていないということは、伝えるメディアにも問題があると思います。女子ばかりが盛り上がり男子が盛り上がらないのは、伝える側の責任もあるのではないでしょうか。

 現在の男子大学生は、卒業して3〜5年以内に多くの選手が世界へ旅立つでしょう。彼らの活躍が、男子ツアーが盛り上がるきっかけになることを期待しています。

 <井上透(いのうえ・とおる)> 1973(昭和48)年4月3日生まれ、横浜市出身の46歳。大学生の時に渡米し、ゴルフ理論を学ぶ。97年に日本初のプロコーチとなり、現在は成田美寿々や穴井詩らを指導。世界ジュニアゴルフ選手権の日本代表監督を務めるなど、ジュニア育成にも力を入れる。2016年から東大ゴルフ部監督。

取材協力 横浜本牧インドアゴルフ練習場(横浜市中区本牧原15の6グロブナースクエアB1)(電)045(228)7739

(毎週木曜日の紙面に掲載)

 

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