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【井上透の最先端メソッド】

自分に合ったクラブかどうか 角度の正否を調べましょう

2019年10月17日 紙面から

 今週はシャフトとフェースが織りなすライ角について話します。とてもマニアックで、敬遠されがちなテーマかもしれません。ただ、知らないと上達の障害になります。右や左へ曲がるのは、あなたの技術のせいではなく、ライ角に原因があるかもしれないからです。 (取材・構成 末松茂永)

均一なら「合っている」

 ライ角とは、シャフトとクラブのソール(底部)でつくられる角度のことです。「ライ角が合っている、合っていない」という話を一度は聞いたことがあると思います。ライ角の正否は、ボールにインパクトしたときのソールの状態で調べます。

 インパクトの瞬間、ソール全体が地面と均一に当たっていれば「ライ角が合っている」と言えます。接触面がヒール(手前)側かトー(先)側に集中していたら「ライ角は合っていない」となります。

 アマチュアの人はライ角に無頓着かもしれません。ただ、ミスショットの原因がライ角にあるにもかかわらず、それに気づかず自分のスイングが悪いと思い、直そうとする人が多いのも事実です。せっかくいいスイングをしているのに、勘違いで悪癖を身につけてしまったら、上達しようにもできません。

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自分にクラブ合わせる

 私が市販クラブを使うと、トー側が接触する、トーダウンの現象が起きます。市販クラブのライ角は、日本人の平均身長などを考えて算出されています。多くの日本人は、そのライ角に合ったスイングをしようと努力します。しかし、欧米はその逆です。「クラブは自分に合わせるもの」と考えます。ある程度、スイングが固まってきたら、自分に合ったライ角のクラブを使うことをお勧めします。

 ライ角が合っていないと、どんな球が出るか。ソール接触面がヒール側の場合は、左に飛びます。逆に、ヒールが浮いている場合は右に飛びます。子どもや女性が男性用クラブを使うと、アップライト(ヒール側が接触する状態)になるため、左に飛びやすくなります。そうすると大抵の人は、フェースを開いて(右に向けて)当てるようになります。これは、飛ばないスイングづくりをしていることと同じです。

悩み解決つながるかも

 今は最新機器を使えば簡単にライ角の正否を調べられますが、アナログ的な方法を紹介します。手軽なのはボールに一本、線を引く方法です。マジックでボールの真ん中に線を引いてください。そして、その線が地面とできる限り垂直になるように置き、インクが乾かないうちに打ってください。インクの線がフェースに残ります。その残った線がスコアラインやソール面に対して垂直だったらライ角が合っています。傾いていたらライ角は合っていません。

 ゴムマットの上でボールを打つ方法もあります。ゴムの黒い跡がソール面全体に残っていれば、ライ角は合っています。ゴルフショップに行けば、感熱紙で作られたシールが販売されています。このシールをソールに貼って調べることもできます。

 ライ角が合っていなかったら、専門店で直してもらいましょう。ただ、まずやってもらいたいのは、ライ角が自分に合っているかどうかを調べることです。うまくいかない原因、悩みの解決の一助になるかもしれません。

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【井上透のひとりごと】

猛練習も善しあし…プロの時間の使い方

 みなさんは「1万時間の法則」という言葉を聞いたことがありますか? ピアノやスポーツなど、物事の上達には1万時間がかかるという考え方です。私の調べでは、この法則はゴルフにもあてはまることがわかっています。ただ、既に1万時間をはるかに超える練習量を積んだプロゴルファーは、苦手の克服など工夫した練習に取り組まないと、なかなか上達につながりません。

 実際、ツアーで活躍しているプロゴルファー全員が猛練習に明け暮れるということはありません。私が指導している成田美寿々プロや穴井詩プロらも自分のペースで練習に取り組んでいます。

 猛練習にはメリットとデメリットがあります。「これだけ練習したんだから…」という自信を持つことができることがメリット。一方、疲労の蓄積などがデメリットとして挙げられます。

 トッププロは、時間の使い方が上手です。成田プロは定期的に試合を休みますし、穴井プロはフル参戦する代わりに月曜日は必ず休みを入れてコンディションを整えているのです。

 <井上透(いのうえ・とおる)> 1973(昭和48)年4月3日生まれ、横浜市出身の46歳。大学生の時に渡米し、ゴルフ理論を学ぶ。97年に日本初のプロコーチとなり、現在は成田美寿々や穴井詩らを指導。世界ジュニアゴルフ選手権の日本代表監督を務めるなど、ジュニア育成にも力を入れる。2016年から東大ゴルフ部監督。

 取材協力 横浜本牧インドアゴルフ練習場(横浜市中区本牧原15の6グロブナースクエアB1)(電)045(228)7739

(毎週木曜日の紙面に掲載)

 

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