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【格闘技】

43歳ライカ、総合格闘技転身 21日パンクラス大会で闘い続ける

2019年7月12日 紙面から

吉田善行トレーナー(右)とスパーリングで汗を流すライカ=東京都中野区のライト・シング・アカデミーで(久野功撮影)

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 世界3階級を制覇し、日本の女子ボクシングのいしずえを築いたとされる風神ライカが、15年に及ぶボクサー生活に別れを告げ、名前をライカに改め総合格闘技に転向。43歳のこの夏、21日に東京・新木場のスタジオコーストで行われる大会「PANCRASE 307」に出場。親子ほども離れたグレイシ・ファリア(21)=ブラジル=と対戦する。女子ボクサーのレジェンドに、東京・中野の道場で総合格闘技で戦い続けることへのこだわりを聞いた。 (山崎照朝)

 ライカは、豪快でダイナミックなボクシングでファンを魅了してきた。世界3階級を制覇し、日本女子ボクシングの頂点にも立った。しかし、2011年から世界挑戦に3度失敗。引退勧告を受け、13年に37歳で引退した。

 格闘技界から完全に引退してもおかしくはなかった。しかし、その翌年に、キックボクシングと総合格闘技(MMA)で復帰した。「自分の中ではまだこれからというのがあって。世界チャンピオンを目指したい気持ちがずっと残っていて辞められなかった」と、王者復活への夢を総合格闘技に求めたのだった。

 しかし、転向した総合は甘くなかった。14年の大みそかに杉山しずかと対戦したが一本負けで完敗。プライドをズタズタにされた。

 「日本人にぼろくそに負けて、自己流ではダメだと本当に思いましたね。それで総合をちゃんとやろうと」

 訪れたのは面識のあったあの「神の子」の故山本“KID”徳郁さんが主催していたジム。「キッドさんに相談したらジムに来たらと言ってくれて」。総合のいろはを教わった。その後、米国・UFCに参戦経験のある吉田善行トレーナー(45)が主宰する「ライト・シング・アカデミー」に所属し、吉田さんからマンツーマンの指導を受けている。

 練習は、レスリングのタックル、グローブとすね当てを着用してのキックボクシングをミックス。仕上げにグローブを総合に替えてのマンツーマンスパーリング。いずれも3分3ラウンドを通してやる。総合では関節技、絞め技、切り返し技を繰り出し、立ち技系とは違ったスタミナが必要のようだ。

 ボクサー時代からすれば寝業のある総合は別世界だった。だが、打ち込み始めて、ボクサー時代よりものめり込むことになった。異性への興味も無ければファッションへの興味も無い。でも、自分が勝つ姿をどうしても見てほしい。ライカにはそう強く願う相手がいるのだ。

 ライカは、3歳から児童養護施設で育った。「私も親の暴力があって‥。でも施設にいたから守られ良かったと思う」。ライカはボクサーのときに所属していた「畑山&竹原ジム」のころから横浜の児童養護施設とつながりを持ち、施設の子たちをジムに招待。格闘技教室を開いて「負けん気魂」を伝えてきた。「畑山会長(ボクシング元世界2階級王者畑山隆則)に話したらいいよ、と言ってくれて。総合に変わった今も吉田さんが了解してくれてジムで毎月1回続けています」。

 自分が育った児童養護施設へのお返しもあるという。「応援してくれる子供たちに、負けても必ず復活して勝つ自分の姿を見せたいんです。泥くさいけどこれが私の生き方なんです」とライカは語った。

 「総合は強さだけを求める自分にあっている。年齢についても(日本の総合格闘技団体の)パンクラスから何も言われてないし、聞かれてもいない。当面の目標はパンクラスのランキングに入ること」。

 21日に対戦する、ブラジリアン柔術のファリアは3戦2勝1敗と戦歴は浅いが、21歳と若く侮れない。ライカはブラジリアン柔術の相手と3連続の対決で、これまで2敗しており、「またムエタイと柔術が基礎のブラジル人。でもまだ勝ててないので今度こそ勝ちたい。この壁の突破が今後の道を切り開く」とキッパリ。鋭い眼光で意気込んだ。

<ライト・シング・アカデミー(RIGHT THING ACADEMY)> 吉田善行さんが3年前に東京・中野区弥生町に立ち上げた総合道場。開設して間もなくライカがプロ1号の所属選手となった。吉田さんはライカについて「ボクシングで世界3階級制覇の打撃の技術を総合にどうつなげるかだ」と持ち味のパンチを生かした総合をアドバイス。ライカは7月21日、東京都江東区新木場のスタジオコーストで行われる「PANCRASE 307」に出場。ファリアと対戦する。

 

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