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暖冬 解けゆく冬景色 今季 富山市 初の0センチ

「雪降らない街に」 予測現実味

(上)暖冬で雪が全くない兼六園=18日、金沢市兼六町で(泉竜太郎撮影)(下)雪が降り積もった兼六園。左側は雪つりが施された唐崎松=2019年1月21日

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 富山、石川両県の平野部で雪が降らない暖冬が続き、十九日までの今冬(二〇一九年度)の降雪量は富山市で初の〇センチ、金沢市では二センチで過去六十年で最少となった。研究者は「深刻な温暖化の進む今世紀後半には富山も金沢も雪が降らない街になるとの予測が現実化しつつある」と指摘する。(辻渕智之)

 富山市の降雪量〇センチはデータのある一九六一年度以降で例がない異変だ。富山県内では伏木(高岡市)も〇センチとなっている。金沢市の二センチは、これまで最少だった〇六年度の五センチより三センチ少ない。

 富山、金沢両市ではこの六十年で降雪量がほぼ半減した。ひと冬の平均降雪量は富山は六〇年代に四七三センチあったが、一〇年代は二六〇センチ。金沢は三三三センチから一六四センチに減った。

 皆巳幸也(みなみゆきや)・石川県立大准教授(大気環境学)によれば、そもそも北緯三五度付近の中緯度域でこれほど雪が降るのは世界でも北陸三県だけ。ところが「以前から複数の研究機関の予測で、遅くとも金沢で五〇年代、富山では今世紀後半に降雪がなくなるとみられてきた。温暖化による気温上昇で間違いなくそうなるだろう」と言う。

 実際、最も温室効果ガス(二酸化炭素など)の排出が多いシナリオに基づく気象庁の予測では、今世紀末には富山、石川両県を含む「東日本日本海側」で二十世紀末よりも降雪量は三三九センチ減る。たとえば富山市の八〇〜九九年の平均降雪量は三四六センチだから、単純計算すれば今世紀末にはほぼ降らないことになる。

 皆巳准教授によれば、上空の雲から雪として落ち始めたものが地上まで解けなければ降雪となり、解ければ降雨となる。おおむねの目安で地上の気温が二度以下なら雪となり、二〜五度なら雪と雨まじり、五度以上で雨になるという。

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 今月一〜十九日の平均気温は富山市五・八度、金沢市六・四度で平年の一月上中旬よりそれぞれ二・八度、二・三度も高い。この暖冬は大気中の温室効果ガスの増加による温暖化の表れ。今冬はこれまでに北極圏の寒気が中緯度域に流れ込む形の偏西風の蛇行が起きていないのも影響している。

 気象庁は地球温暖化が最も進行する場合、今世紀末の冬の平均気温は二十世紀末よりも富山、石川両県とも五度近く上昇すると予測する。年平均気温は富山、金沢両市とも現在の鹿児島市と同程度の一八・六度ほどになるとみている。

 少雪で起きるデメリットとして、山間部の雪解け水が減ることで水資源として確保できる水が減って農業に影響すると皆巳准教授は懸念。地下水の水位低下や地盤沈下を招く可能性も挙げる。「昨年の台風被害や大雨の頻発も温暖化と関連している。この気温上昇を抑えるには、私たちが温室効果ガスの排出を地球規模でどれだけ抑制できるかにかかっている」と話す。

 

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