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豚レバー 工夫すれば宝 射水・徳永食品 ペースト開発

高栄養だけど臭い…廃棄減模索

 食べられるのに、栄養が豊富なのに、買い手が少なくて捨てざるを得ない−。豚レバー(肝臓)が抱える問題を解決しようと、富山県射水市の食品メーカー「徳永食品」がリンゴやトマト風味のレバーペースト(練り物)を開発している。食品ロスをはじめ、食の偏りなどによる現代人の鉄分不足対策として、県内外で春ごろに発売する。(山本真士、写真も)

豚レバーペーストの商品化を目指す徳永勝久社長(左)と林原りかさん=富山県射水市の徳永食品で

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 徳永食品は創業五十年の食肉加工の老舗。味付きの豚ホルモンが看板商品で、市内の食肉処理場から豚の内臓を全て買い取っている。このうち小腸、大腸などの「白モツ」は残らず出荷できるが、レバーやハツ(心臓)などの「赤モツ」はいつも需要不足。特に、レバーは半量近くを廃棄することになるという。

 不人気の原因と考えられるのは、牛や鳥のレバーに比べても強いとされる臭み。下処理をすれば軽減されるが、その手間を敬遠する人は少なくない。用途も限られ、徳永勝久社長(45)は「レバニラ炒めか、ペットフードの材料くらいにしか使われない。同業他社に聞いても、みんな同じ悩みを抱えている」と嘆く。

 一方で豚レバーは低脂質、高タンパクで栄養面の評価は高い。文部科学省の日本食品標準成分表によると、同じ重量当たりの鉄分は牛の三・三倍、ニワトリの一・四倍だ。徳永社長は長年、「捨てるのはもったいない」と問題視し、せんべいの加工品を試作するなど解決策を考えてきたが、妙案が見つからなかった。

 転機は二年前。企業の課題解決やブランド発信に取り組むコンサルタント林原りかさん(45)の仲介で、豚モツをテーマにした富山短大生の卒業研究を支援することになった。翌年、学生から新メニューとして提案されたのが、県内産のリンゴやトマトを混ぜたペースト。味や香り、使いやすさのいずれも合格点だった。

 折しもSDGs(持続可能な開発目標)や食品ロスが注目され始めていた。日ごろの商品開発は社員に任せるが、徳永社長は「全く新しい分野。全てに携わりたい」と自ら商品化の研究を始めた。学生が臭み消しに使った牛乳はコストが高く、別の方法を探すなど試行錯誤した。

 レバーペーストはワインのつまみなどとして流通しているが、価格の高さや脂質の多さが難点。「朝食でパンに付けて食べるような、日常で使われる商品になれば」と低価格、低脂質にこだわる。個人的にも、小学五年生の長女が貧血気味だが、レバーは好んで口にしないという。「栄養不足の子どもやそしゃくが難しい高齢者に食べてほしい」とターゲットは明確だ。

 早ければ三月、遅くとも五月にスーパーやインターネットで発売する。介護施設や病院、学校給食にも売り込む方針だ。「同じ問題に悩む他社と協力して、全国に広げたい」。動物の命を粗末にすることなく、人々の健康に貢献する未来を思い描いている。

 

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