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特報とやま

暗い照明で魚に優しく 魚津水族館 富山湾大水槽

「赤点」要因

魚がアクリル壁に顔を擦って3カ所にできた赤点=2018年12月

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 魚津水族館(富山県魚津市)は回遊水槽「富山湾大水槽」のブリなどが側面のアクリル壁に衝突してできる傷、「赤点」をなくすため、夜になると、群れを作ってゆっくり泳ぐというブリの習性を利用し、水槽周辺の照明を暗くした。泳ぐ速度も衝突回数も半減するなど成果は出ており、合格点が見えてきた形だ。(松本芳孝)

 大水槽は現在の館がオープンした一九八一年からの館の目玉。だが、水槽内の回遊魚にとって内側は暗く外側が明るいため、特にブリはアクリル壁に気付かず、顔をぶつけたり、擦ったりするケースが多かった。回数が重なると、直径一センチ程度が赤く盛り上がる赤点ができ、来館者から質問されることも多かった。

 赤点対策に乗り出したのは昨年十一月から。魚が漁網を避けるため水槽の一部に漁網を垂らした。当初は効果があったが、慣れられてしまった。五月からL字パイプを入れて時計回りの水流に乱流を作ったが、効果は見られず、六月から内外の明るさの差をなくそうと、水槽外から発光ダイオード(LED)照明を当てたが駄目だった。

衝突減少

傷を防ぐため、照明を暗くし、角に気泡を出す装置を設けた富山湾大水槽。泳ぐ魚は傷がほとんどない=いずれも富山県魚津市の魚津水族館で(松本芳孝撮影)

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 逆に水槽周辺に六〜八灯あった照明を八月三十日から二灯、十月五日から一灯に減らしたところ、効果が表れた。魚が五分間で何回、アクリル壁に衝突しているか、職員が目測で調べているが、照明を暗くする前に七十回程度だったのが、三十〜四十回に減った。担当する飼育員の西馬(さいば)和沙さん(24)は「泳ぐ速度も半分ぐらいになったように見える。しばらく様子を見守るが、これまでの対策に比べ、明らかに効果が出ている」と自信をのぞかせる。

 照明を暗くするのに先だち、八角柱の大水槽の角近くに気泡を出す装置を配した。これも気泡を避けるという習性を生かした。

 不破光大(みつひろ)・学芸員(40)は「全国の水族館で、最近できたか、改修された回遊水槽は角がないドーナツ形が主流で赤点が出るという話は聞かない」と話す。

 今月二日に大水槽のブリ、カンパチ、ヒラマサなどを入れ替え、赤点が多い魚を除いたこともあり、現在は傷がない魚がほとんど。つるんとした“美肌”の魚が悠々と泳いでいる。

 

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