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根づくか 球児ファースト 高校野球「週500球」県内で賛否

神村学園−高岡商3回戦進出を決めた試合で完投した高岡商・荒井投手。県大会を含め1週間500球を下回った=8月12日、甲子園球場で

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 白球を追う球児のひたむきな姿に、多くの人が胸を打つ高校野球。来春の選抜大会から「一人の一週間の総投球を五百球以内」とする投球数制限が導入されることなどが正式に決まった。球児の身体的な負担軽減や故障防止に向けた試みで、長い高校野球史の中で新たな一歩を踏み出す。「球児ファースト」は根づくのか。(山本真士)

 今も多くの高校野球ファンに語り継がれる一九八六年、選抜大会での「新湊旋風」。愛知・享栄、千葉・拓大紅陵などの強豪を次々と破り、ベスト4に進出した。前日に延長十四回を戦った疲れもあり、準決勝で栃木・宇都宮南に敗れたが、当時のエース・酒井盛政(しげまさ)さんは一人、マウンドに立ち続けた。四試合は一週間で行われ、「五百球以上は投げたと思う。肩や肘は痛くなかったが、一カ月後に再び投げたら腰が痛かった」。原因は連投ではなく、腰に負担がかかる投球フォームだったと考えているが、今も原因ははっきりしない。新たに導入されるルールに、酒井さんは「過保護かもしれないが、けがをする高校生がいる現状では仕方ないのかな」と話した。

 今回の投球数制限には賛否さまざまな声がある。

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 選手が少ない中で、今夏は県ベスト4、今秋はベスト16に進出した水橋の河井悟監督は「一週間に三試合と仮定すれば、一試合に百五十球以上。制限がかなり緩く、試合にはそれほど影響しないだろう」とみる。

 一方で「うちのようなチームは投げられる選手が限られる。投手がけがをしたら、制限が致命傷になるかもしれない」とも。この話が出る前から複数投手の育成と継投を重視しており「選手にけがをさせず、いかに乗り切るかが腕の見せどころ」と自らに責任を課した。

 今夏、シード校を破って県ベスト16に入った八尾の水上久山(きゅうざん)監督は「選手と指導者が体の違和感を感じ取る力と、それを伝えやすい環境が大事。球数を制限するだけでは実現できない」と効果に疑問を呈す。

 自身も元投手。小学生時代に肘、高校時代に肩を壊した。大学からトレーニング法を学び、指導に生かしている。「関節の動きは中学生までに決まる。小学生から正しい動きを教えれば、けがは少なくなるはず」と、ジュニア世代からの取り組みの必要性を訴える。

 日本高野連の理事を務める県高野連の北野幹昌理事長は投球数制限を「障害予防で行われるので大事なことだ」と指摘。今後、県高野連の対応を検討していく。

 今夏の選手権富山大会を制した高岡商は二回戦から決勝の五試合を一週間で戦ったが、投球数が五百球を超えた投手はいなかった。

 

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