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新学期 悩む不登校の子へ 富山で居場所づくり 広がり

学校以外でも学べるよ

 夏休みが明け、新学期が始まる。学校への拒絶感やプレッシャーから、悩みを抱える子どもにとっては気が重くなる時期だ。富山県で不登校の児童生徒は千二百人以上に上るが、学校に通えない子どもの居場所づくりが続々と広がっている。(向川原悠吾)

「自分に合った教育を知って」

不登校の子どもを持つ保護者らと意見を交わすSwitchの小沢妙子代表=富山市蜷川で

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 「学校以外でも学べるところはある」。そう話すのは富山市の小沢妙子さん(41)。不登校の子どもが学べて親が子の悩みを共有するための会「Switch(スイッチ)」を五月に立ち上げた。

 きっかけは小学四年の長男勇文君の不登校。学校の集団生活が苦手で、小一の三学期から登校できなくなった。自閉症スペクトラム障害と診断され、「それならこの子に合った方法を考えよう」と始めた。

 実感したのはフリースクールなどで子どもが集える場所はあっても、不登校の小学生が日中に学べる場がほぼないこと。親は不登校を隠しがちだとも感じ、そうした課題を解消しようと発足させた。

 親の会では、市内のカフェで子どもの将来や教育に不安を感じる親同士が語り合う。子ども向けには運動できる場をほぼ毎月開く。今後は音楽などほかの教科を取り入れ、頻度も増やす予定だ。

 九月一日にも富山市蜷川の市障害者福祉プラザで親の会を開く。「不登校は自分を守るためにしている行動。子どもと親が何も言えず孤立しないよう、学校に行かないのは悪いことではなく、自分に合った教育で学べると知ってほしい」と訴える。

「いつ連絡してくれてもいい」

「みんな違っていいからいつでも連絡してほしい」と呼び掛ける松田由美さん=富山市大泉で

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 二〇一八年度まで小学校の教頭を務めていた松田由美さん(58)は早期退職後の四月、富山市大泉で、学習や生活などで不登校の子どもをサポートする「こどもの里」を開いた。

 教諭としてのキャリアは一九八五年に養護学校でスタート。以降は特別支援学級を主に担当してきた。

 子どもの特徴や発達に合わせた教育にやりがいを感じてきたが、九年前に教頭になると、学校全体の管理業務に追われ、「個人と向き合った教育ができているのか」と疑問を抱くように。増え続ける不登校や、その多様な背景に「教育の原点は一人一人を大切にすること。学校に行けないなら、地域に通える別の場所が必要だ」と一念発起して退職。約六百平方メートルの敷地にある空き家を土地ごと購入し、こどもの里を開いた。

 発達障害や学習についていけずに登校できなくなった子どもなど、利用者はさまざま。大学院で特別支援教育を学んだ知識を生かし、それぞれに合った指導を心掛ける。基本的に個別で教えるが「仲良く何かを達成できる楽しさを感じてほしい」と少人数でイベントや指導をすることもある。

 「それぞれが持つ力を開花させて、自分はもっとできるんだと自覚してほしい」と松田さん。学校に行けない子どもには「いつでも連絡してくれてもいい。みんな違っていいんだから」と呼び掛ける。

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