トップ > 富山 > 特報とやま > 記事

ここから本文

特報とやま

大和なき後 未来模索 高岡中心街 活性化の鍵

大和高岡店前に掲示された閉店の案内=高岡市御旅屋町で

写真

空きフロア活用案 議論途上

 富山県高岡市の中心市街地で七十五年間の歴史を刻んできた老舗の百貨店「大和」高岡店が二十五日の営業を最後に閉店する。ブランド力の高い「大和」という核店舗を失う再開発ビル「御旅屋セリオ」は空きスペースの活用と中心市街地の活性化という命題を抱える。幅広い議論、スピード感を持って方向性を打ち出すことが求められている。(武田寛史)

 大和は御旅屋セリオの地下一階と一〜五階の各フロアの80%を占め、七階のレストランを直営してきた。キーテナントの退店は商業地への集客には致命的。

 大和の閉店後、ビルを運営してきた第三セクター会社「オタヤ開発」は、営業を続ける婦人服や雑貨の専門店十二店舗を一、二階に集約する。大和は九月十一日から一階にサテライトショップを開設し、県西部のギフト販売の拠点を残す。

写真

 地下一階の大和と契約している食品専門店は撤退。七階の直営レストラン、テナントのそば店は閉店し、飲食店は姿を消す。六、七階の公共的なテナントは現状を維持するが、三〜五階と地下一階、七階のレストラン跡は当面、空きスペースになってしまう。

 オタヤ開発の藤田衛治社長(72)は「民間に出店を検討してもらうための呼び水がいる。健康をテーマにするような公共的施設の導入がほしい」と訴える。

 八階の高岡子育て支援センターは、年間四万人が利用する。しかし、下の階に人が流れるようなシャワー効果が生まれていない。高橋正樹市長は「子ども関連で利用できるスペースなど公的機能も含め検討している」と話す。市は九月市議会にも新たな公的施設配置の方向性を示す。

 若手経営者がつくる「中心市街地賑(にぎ)わい創出会議」が七月に発足し毎週、議論を重ねる。高齢者の集いの場、子育て家庭が利用する支援センター、高岡大仏などの観光資源の活用を議論する。今月二十一日夜の四回目の会議を終えた菅野克志会長(53)=末広開発社長=は「市や商店街からヒアリングし、もっと掘り下げる。メンバーを増やし、年度末までに活性化策をまとめる。あこがれと夢の場所を復活させたい」と話す。

 オタヤ開発、市、創出会議がそれぞれ、中心市街地の未来の姿を模索するが、まだ方向性は重ならない。一方、北陸新幹線新高岡駅の南側にある大型店「イオンモール高岡」は九月十四日に増床オープンする。多くの市民の関心が郊外の大型店に移っている。にぎわいの中心だった御旅屋に再び人が集まるのか。行政、経済界、市民をまきこんだ地域力が問われている。

物販から転換のチャンス 中川・富大教授

 都市政策担当の富山大副学長の中川大・都市デザイン学部教授(63)は「活用方法を自由に考えることができる大きな床が市街地中心部に生み出されるのはめったにない。まちづくりの絶好のチャンスだ」と可能性に期待する。さらに「街中でにぎわう商店街は食べる・学ぶ・楽しむ機能を備えた所で、物販でにぎわいを生み出す時代ではない。それは世界共通の流れ。物販から飲食やエンターテインメントを主体にした街に変われる好機。一部の人で考えるのではなく、皆で楽しくワイワイと前向きに考えるのが得策」と言う。

 

この記事を印刷する

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索