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リュウグウノツカイ!? ではなく… 富山湾で似た魚 違いは

(上)ギョロッとした大きな目を海面から出して泳ぐサケガシラ=富山県高岡市の雨晴海岸で(山中正義撮影)(中)サケガシラ(下)リュウグウノツカイ(いずれも魚津水族館提供)

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 ギョロッとした大きな目玉が海面からのぞく。銀色の細長い体に光が反射する。一体、何が泳いでいるのか。そういえば、富山湾でリュウグウノツカイの発見が相次いでいる。まさか。珍しい深海魚が生きたまま、こんな海岸近くにいるとは。「特ダネだ」。夢中でシャッターを切った。だが、魚津水族館(富山県魚津市)に確認すると…。正体はサケガシラ。え、何それ?(山中正義)

 四月四日、日没前の雨晴海岸(同県高岡市)。県内有数の景勝地では、観光客らが夕暮れを待っていた。突然、数人が海面を漂う何かを発見し、ざわつく。記者も目をやると、見たこともない魚が泳いでいる。

「サケガシラです」

 「リュウグウノツカイじゃない?」。誰かが声を上げた。中には捕まえようと網を取り出したり、写真を撮ったりする人も。魚は弱っているようだったが、最後は沖へと消えていった。

 魚津水族館の稲村修館長(61)に写真を見てもらうと、「サケガシラです。リュウグウノツカイに近いアカマンボウ目で、富山湾では春先に定置網で取れます」。残念ながら期待した「幻の深海魚」ではなかった。落胆とともに、同僚にも自慢げに画像や動画を見せていた自分を思い返し、恥ずかしさが込み上げた。

 特ダネの期待を見事に打ち砕いてくれたサケガシラは、日中は水深二〇〇メートル前後にいる深海魚。夕方から夜に浅瀬に近づく。餌のホタルイカを追いかけて来るとみられ、富山湾で繁殖していると考えられている。

 大きな目に細長い体でリュウグウノツカイと外見が似ていることから、勘違いは多いという。では、どうやって見分けるのか−。

 「目はそっくりだけど、口が違う」。稲村館長が教えてくれた。サケガシラは突き出ており、リュウグウノツカイは下唇が上に上がっている。サケガシラには歯があるが、リュウグウノツカイにはない。

 体長も違う。サケガシラは日本では二メートルにもならない。一方、リュウグウノツカイは一〇メートルに達することもあり、赤くて長い背びれと腹びれも特徴的だ。

簡単に出合えない

 同じアカマンボウ目の深海魚アカナマダも似ている。富山湾では三十年近く確認例がなかったが、今年は発見が相次いでいる。ただ、今年が特別で遭遇率は極めて低いという。

 稲村館長は「三月から五月に判断に迷うような魚を見かけたらサケガシラの可能性が高い」とも説明する。リュウグウノツカイのこれまでの発見例が十月末〜二月に多いからだ。

 相次ぎ見つかっているとはいえ、「幻」というだけにリュウグウノツカイには簡単には出合えない。

 四月十四日、富山市の岩瀬浜海水浴場。波打ち際に銀色に輝く細長い魚が。「今度こそ」と近づくと…また、サケガシラだった。

 

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