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官製談合 どう防ぐ? 黒部の事件 全国で相次ぐ手口

官製談合事件で家宅捜索に入る富山県警の捜査員ら=1月17日、富山県黒部市役所で(向川原悠吾撮影)

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 富山県内で初めて官製談合防止法違反の逮捕者が出た事件で七日、黒部市上下水道工務課主任(33)が起訴された。非公開だった工事の入札予定価格を事前に業者に教えたとされる。同じ手口が全国で相次ぐ中、どうしたら事件を防げるのか。(向川原悠吾)

 官製談合の摘発は一月だけで山梨県笛吹市や新潟県長岡市、兵庫県西宮市などであった。大阪市役所では大阪地検特捜部が同法違反の疑いで家宅捜索をした。

事前公表

 桐蔭横浜大の鈴木満客員教授(経済法)は、相次ぐ事件にまゆをひそめる。自治体が事前に選んだ企業で競わせる指名入札をやめて一般入札にすることや、予定価格の事前公表の導入を訴えているからだ。指名入札をなくせば行政から働き掛けがしにくく、事前公表すると、企業の「さぐり」を予防できると説明する。

 こうした抑止策を先進的に取り入れたのが東京都立川市。同市は二〇〇三年に職員が官製談合で逮捕され、入札改革を実施。事件から二年後に指名入札を廃止、五年後に予定価格の事前公表に踏み切った。市の調査では業者からの働き掛けはなくなり、市品質管理課の担当者は「談合させない環境が職員を守ることにつながる」と話す。

 さらに公平な入札制度に必要としているのが、変動型の最低制限価格。多くの自治体は品質確保のため、予定価格を基準に算出して下回ると落札できなくさせたり、調査することになる最低制限価格や低入札価格を決めたりしている。

 こういった価格を狙って最低額で複数の企業が入札し、抽選になるケースが全国で起きていたため、立川市は一番低い価格から数番目に低い価格までの平均を取るなどして最低制限価格を決めている。

政府推奨

 富山県内では、県を含む自治体のうち、朝日町の一般入札と、滑川市、入善町、舟橋村の一般、指名双方の入札で予定価格を事前公表していない。黒部市は指名入札の予定価格を事前公表していなかったが、事件後、公表する方針に変更した。変動型の最低制限価格を導入しているのは立山町だけ。

 事前公表を控える市町村によると、政府が競争が生まれないとして事後公表を推奨しているからだという。ただ最近は専門のソフトが登場し、予定価格に近い価格が算出できる。ある自治体職員は「よほど複雑な工事でない限り、公表してもしなくても落札価格はあまり変わらない」と話す。

 鈴木客員教授によると、価格の計算能力を高めた建設業界側が利益率を上げるため、政府に事後公表を要望。そうした経緯から、政府は事後公表を推奨しているという。鈴木客員教授は「改革をしない自治体は職員が違法行為にさらされるのを容認しているようなものだ」と批判している。

 

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