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特報とやま

魚津水族館 人気ショーの調教 魚芸 スイスイとは…

「能力を知って」と根気強く

(上)歓迎の旗を引っ張り出すイシちゃん(中)クイズのアシスタントを務めるショーちゃん(下)5枚の輪をくぐるウーちゃん

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 イシダイがひもを引っ張り、ウマヅラハギが輪くぐりをする。食卓に並ぶとおいしそうな魚のショーが富山県魚津市の魚津水族館で連日、繰り広げられている。一九八一(昭和五十六)年に現在の館がオープンしたころから続く人気アトラクション。魚に芸をどうやって仕込むのか。舞台裏をのぞいた。(松本芳孝)

 出演はイシダイの「イシちゃん」「ショーちゃん」とウマヅラハギの「ウーちゃん」。同館によると、ウマヅラハギのショーは国内唯一で、世界でもおそらく他にやっている館はない。

 水槽の照明がともることが開始の合図。イシちゃんは「ようこそ!」と書かれた旗をつなげたひもを引っ張り出し、ウーちゃんは高さがジグザグの五枚の輪をくぐる。ショーちゃんはひもを引っ張り、クイズのアシスタントも務める。ウーちゃんは芸歴一年だが、イシちゃんは五年、ショーちゃんは四年のベテランだ。

 「ショーちゃんは優等生だけど、イシちゃんは気分屋。乗らないと、芸をしないこともある。ウーちゃんは来場者が多い休日の最後はミスすることが多い。繊細なんです」。担当の飼育員西馬和沙さん(23)は三匹の性格を説明する。

 イシダイはあごの力が強く、歯も丈夫。貝をかみ砕き、首を振って身をかみちぎって食べることもある。「ひもをくわえたら餌を与え、くわえたまま少し、ひもを引いたら、すかさずまた餌です」。動物の調教と同じやり方だ。

 ウーちゃんも基本は一緒。まず一枚の輪をくぐると餌。輪の数を増やし、輪の高さも変える。「ジグザグの五枚の輪をくぐるには進行方向を変える必要がある。ウマヅラハギにとっては難しいと思います」

フグの調教にいそしむ西馬和沙さん=いずれも富山県魚津市の魚津水族館で(松本芳孝撮影)

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早くて2、3カ月

 水槽のバックヤードには調教用水槽が二つある。一方はウーちゃんの後継者、一方はコモンフグ二匹、ヒガンフグ一匹を調教している。調教は覚えが早い魚で二、三カ月はかかる。

 西馬さんは「フグで(魚津の名物)たてもん祭りを模したショーにしたい」と思いを話す。調教は針金の先に付けた直径一センチほどのビーズを口でつつくだけだが、「半年やってますが、先はまだ長そうです」。水槽に入れたたてもんの模型の周りをフグが泳ぎ回るショーは、早ければ八月にも披露できるという。

 国内では魚ショーは大分市の大分生態水族館「マリーンパレス」(現大分マリーンパレス水族館「うみたまご」)が六六年に始めたのが最初とされる。全国に広がったが、現在もやっている館は少なくなったという。

 ショーをかつて担当した稲村修・魚津水族館長(61)は「調教に時間がかかるし、少人数の客にしか対応できない」と説明する。ではなぜ時間も人手もかかるショーをやっているのか。西馬さんも稲村館長も答えは同じだった。「魚が持つ能力を知ってもらいたいから」

 

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