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とやま遺産

流域の争い 丸く解決 魚津・東山円筒分水槽

階段が付いているせきがつくる弧の角度で三つの用水に公平な給水をする東山円筒分水槽=魚津市東山で

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 魚津市東山の片貝川右岸。直径約九メートル、高さ一・五メートルの鉄筋コンクリート製の円筒から水が湧き、三六〇度全方向に流れ出す。

 左岸側の貝田円筒分水槽から川底をくぐる水路を通って、サイホンの原理で水が届く。役割は右岸側をかんがいする天神野、東山、青柳の三用水への給水。せきが三カ所にあり、せきがつくる弧の角度で三用水への給水配分が定まる。

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 所有、管理する魚津市土地改良区によると、戦前に片貝川に十一あった取水口をまとめる県営工事で一九五四年度に完成した。「片貝川は急流で、水はけも良すぎるため、下流の人は水確保に苦労した。円筒にしたのは、水量の多寡にかかわらず、かんがい面積に応じた配分をしていることが目に見えて分かるから」と吉田研士総務・業務課長は説明する。

 二〇一一年度には市水循環遺産に登録され、一三年度に県のうるおい環境とやま賞の水の賞を受賞。「日本で一番美しい円筒分水」として、インターネットなどで評判が広がり、観光スポットになりつつある。七月には珍風景を集めたテレビ番組でも、水争いの歴史とともに紹介された。

 「丸く収める」の意味がよく分かる場所だ。 (松本芳孝)

 

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