トップ > 富山 > 深掘りTOYAMA(BBT連動企画) > 記事

ここから本文

深掘りTOYAMA(BBT連動企画)

思い思い描く個性 知的障害者ら「絵夢の会」

活動17年 ブランド化、原画展も

【上】絵夢の会メンバーが制作する様子を見守る川井昭夫さん(右)。障害がある人たちは思い思いのスタイルで表現していく=富山市の市民芸術創造センターで【下】絵夢の会のメンバーの原画で作製したカレンダー

写真

 県内の知的障害がある人たちが毎月1回、富山市呉羽町の市民芸術創造センターに保護者らとともに集まり、思い思いのスタイルで独自のアート作品を描いている。その名も「絵夢(えむ)の会」のメンバーたちは、個展を開くこともあるほど新鮮な表現の世界を織りなす。昨年秋には、その作品をブランド化するプロジェクトも始動。特徴的なグッズなどが注目されている。 (中島健二)

 昨年十二月下旬、市民芸術創造センターの一室に朝からメンバーが集まってきた。一人一人、座る場所はいつも決まっている。すぐに画材を広げ、黙々と絵を描いていく。それを見守りながら声をかけるのは、富山市内の美術作家、川井昭夫さん(72)。二〇〇二年、障害者の母親から求められて「絵夢の会」を立ち上げてから毎月、一度も休まず指導を続けている。

 手法は独特だ。描き方を教えるようなことはない。「いいよ、すごいねと言うだけ。その子がちらりと出したものを見つけて、褒めて広げてあげるのが僕の役割」と川井さん。十七年間ずっと同じ。十人のメンバーもほとんど変わっていない。今は十代から三十代。毎回一時間ほどで描いてきた作品は、個展で披露するメンバーもいるほか三年前からは作品を原画にカレンダーも作製。富山市のデザイナー、宮田裕美詠(ゆみよ)さん(46)がアレンジしている。

 昨年秋に立ち上げたブランド「watasiwa」(わたしは)では、宮田さんのデザインでカレンダーのほかポストカードやバッグも作って販売している。同年十一月末から十二月中旬には射水市の大島絵本館で、そのグッズ類や原画も展示した。今年のカレンダーの表紙になった内堀惇丈(あつたけ)さん(24)の作品「お母さん」はユニークな描写と明るい色づかいに思わずほほ笑んでしまう。かまくらの中にうさぎがいる福島貴大さん(25)の冬のかわいいイラストも来場者の目を引いていた。

 「みんな下描きなしで描いていく。やり直したりはしない。自分の思いがすっと紙の上に写し出される」とは貴大さんの母で絵夢の会代表の福島朝子さん(53)。ブランド名の「watasiwa」は「私が私である」とのメッセージを込めたという。「人とのつながりの輪(wa)でもある。いろんな輪が水の上に落ちた水滴の波紋が広がるように彼らの世界が広がっていってほしい」と願っている。

  ◇     ◇     ◇

 この記事は八日夕に放送した富山テレビ放送「中島流!深掘りTOYAMA」との連動企画です。中島流の次回は十五日のライブBBT午後六時台に放送します。(放送日は変更になることもあります)

 

この記事を印刷する

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索