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深掘りTOYAMA(BBT連動企画)

エコな未来 窒化ガリウムで 開発リーダー 天野教授に聞く

「使える技術できた」 「応用、あらゆる所に」

【上】EVへの活用における窒化ガリウムの特性を説明する天野浩教授【下】超高品質化に成功した窒化ガリウムの結晶(手前右)=いずれも東京モーターショーで

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 東京モーターショーで電気自動車(EV)への活用が注目を集めている窒化ガリウム(GaN)。大幅な省エネ効果や、電流変換装置の超小型化、変換・オンオフ動作の超高速化など優れた特性はEVだけでなくあらゆるものへの活用が期待される。開発チームのリーダーである天野浩・名古屋大教授は生活を大きく変える可能性を強調する。GaNの有効性と将来を聞いた。(中島健二)

 −GaNはノーベル賞を受賞した青色発光ダイオード(LED)の材料だったという。

 「LEDは(半導体の結晶に)多少の欠陥があっても光ってくれるのでよかったが、(電気の直流交流変換や電圧・周波数変換をする)トランジスタに使うには欠陥のない結晶が必要。GaNは難しかった。いい馬なんだけど荒馬でなかなか乗りこなせなかったが、乗りこなす技術ができた」

 −GaNを使いこなすとエネルギー効率が上がる。

 「大幅な省エネもそうだが、直流を交流に変えるなどの変換を繰り返す速度が速い。今までは速すぎて使えなかったが、使える技術ができた。そうなると(変換する部品を)小型化が可能になり、さらに効率がよくなる」

 −EV以外にも用途は広がる?

 「例えば身近なものでいうと電子レンジ。現在は温めるためのマイクロ波を出すのに真空管を使っていたので、一気に全体を温めるしかなかったが、半導体でマイクロ波の発信機を作ると小さくできる。だからご飯だけ、あるいはおかずだけ、というようにピンポイントで温められる。刺し身は冷たいままだがご飯を温かくできるので刺し身弁当も売り出せる」

 −このような素材はコストが課題と聞く。

 「安く、たくさん作る技術が必要だが、このプロジェクトには多様な分野の人が一堂に会して一緒に研究しており、従来よりずっと速い速度で社会実装ができると思っている」

 −今、気候変動が大変な脅威になっている。

 「アジアは化石燃料に依存する割合が高く、日本は八割を超えている。これを下げるためには、電気中心の社会で再生可能エネルギーなどクリーンな発電を増やす必要がある。そこでもGaNは期待できる」

 −どんな効果がある?

 「再生可能エネルギーで問題なのは時間とともに発電量が変化すること。変化に応じて供給する方向を瞬時に変える必要があるが今の電力網では限界がある。臨機応変に電力を融通できる仕組み、ネットワークをつくらないといけない。GaNは電流の変換やオンオフが高速でできるので、その鍵を握るものとなる」

 −電気抵抗が少ない、そしてハイスピード。この二つで世界を変える?

 「電源はあらゆる所に使われており、あらゆる所に応用が可能。これによって低炭素社会を実現し、加速させていきたい」

 

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