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深掘りTOYAMA(BBT連動企画)

超省エネEV 未来走れ 電流変換部品に青色LED素材

ノーベル賞・天野教授ら成功

 二十四日に開幕した東京モーターショーで一台の電気自動車(EV)が注目を集めている。青色発光ダイオード(LED)の材料として用いられる窒化ガリウム(GaN)を電流変換部品に使って走らせることに世界で初めて成功、GaNの特性で驚異的な省エネを実現したEVという。開発関係者は五年後に本格普及させる計画。未来の究極エコカーを現実化させるGaNの可能性とは。(中島健二)

窒化ガリウム活用で驚異的な省エネを実現したEVに乗ってポーズを取る天野浩教授=東京モーターショーで

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 開幕前の二十三日にプレス公開された会場の東京ビッグサイト青海展示棟は、国内外のメディアであふれていた。その一角の環境省ブースでひときわ目を引いたのが青色LEDゆかりのブルーでコンパクトな車体。車を動かすための電気系統やライト、ディスプレーなどに搭載されるすべての電流変換部品で、従来のシリコンに代わってGaNの半導体を使ったEV、名付けてオール・ガン・ビークル(AGV)だ。

 開発したのは青色LEDでノーベル賞を受賞した天野浩・名古屋大教授らのチーム。その省エネ効果はシリコン使用のEVに比べ消費電力を24%も抑えることができる計算という。その分、走行距離が延びて空調も心配せず使えることになる。その仕組みはこうだ。

 電気はバッテリーでは直流だが、その電気を流す際は交流に、それをモーターに使うにはまた直流にしなければならず、電圧や周波数も変換する必要がある。それを担うのがパワーデバイスという変換装置。現在はその変換にシリコン半導体が使われているが、シリコンは厚みがあるため電気抵抗が大きく、発熱して電気が失われやすい。

 その点、GaNはシリコンの十分の一まで薄くすることができるため抵抗が小さく、電気を失う量が極端に少なくて済むという。大阪大の森勇介教授が、このGaNの結晶を電流変換用の半導体に使うことができるよう高品質にする手法を確立し、パワーデバイスへの活用を実現した。

 天野教授によると、パワーデバイス自体の効果はシリコン使用に比べ消費電力が六割削減される。さらに、変換装置を極小化できることで電子レンジなどの高機能化もできるほか、風力発電など再生可能エネルギーを大幅に供給しやすくできる可能性もあり、天野教授は「持続可能で、かつ皆さんが豊かに安心安全に生活できる社会実現に少しでも貢献したい」と期待している。

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 この記事は三十日夕に放送した富山テレビ放送「中島流!深掘りTOYAMA」との連動企画です。中島流の次回は十一月六日のライブBBT午後六時台に放送します。(放送日は変更になることもあります)

 

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