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深掘りTOYAMA(BBT連動企画)

近づく生活圏 遭遇備えて クマ出没 富山県内昨年比2.5倍

「なぜ人里へ?」 餌求め段丘伝い屋敷林に

 北陸で今年、ツキノワグマの出没が多発している。餌となるブナやドングリの不作のためで、目撃情報は昨年比富山県で二・五倍、石川県で一・五倍に。市街地での出没も目立ち、不意に遭遇しての人身事故が懸念される。なぜ人里に出てくるのか? どう対処すればいいのか? 生態に詳しい富山県立山カルデラ砂防博物館の白石俊明学芸員に出没の現場を案内してもらった。(中島健二)

林が連なったように見える河岸段丘の崖斜面を示しながら、そこを下るクマの行動を説明する白石俊明学芸員=富山市小黒で

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 富山市南部の旧大沢野町地区。山間地から市外地に向かって河岸段丘の崖が幾筋も連なる地域の一角で今月七日、白石さんと待ち合わせた。崖のほとんどは土地利用されずに林や深いやぶとなっている。

 「あの林の帯がクマが動くルートになりやすい」と白石さん。その段丘が終わって続く平地には用水が無数に流れ、家屋の屋敷林が点在する。「クマは段丘の壁を動脈のように伝って下り、毛細血管のような用水をたどって屋敷林を飛び石のように移動していく。そこにはクマが好む柿の木も多く、格好の餌場になっている」そうだ。

 よく目撃されるクマは人間が四つんばいになったのと同じような大きさ。ちょっとしたやぶがあれば隠れて見えないし、駐車場で車が数台並んでいるなど死角になる所があれば隠れ場所にすることがあるという。

「出合ったら?」 手で頭や首の後ろ隠して

 そんな一帯を車で回ると最近、クマが目撃されたりかつて人身事故が起きたりした場所を白石さんが教えてくれた。「クマは基本的に人を見たから襲ってくるわけではないが、うっかり集落に入り出くわして事故が起きる。今は隣にクマさんがいる時代。今年はドングリが不作だから隣から家まで来てしまった」

 至近距離で出合ったらどうすればいいのか。「襲われて重傷につながりやすい頭、顔、体の前面を守る姿勢を覚えてほしい」と白石さんが見せてくれたのは小さくしゃがむかうつぶせになって手で頭や首の後ろを隠す手法。ヘルメットをかぶりリュックを背負えばもっと効果がある。今年九月には秋田県鹿角市で、下校中にクマに襲われた中学生がこのような姿勢を取って軽傷で済んだ例もあった。

 身ぶりで示してくれた白石さんはクマとの共存、共生を考えていくしかないと呼び掛ける。「クマを絶滅させるわけにもいかないし、私たちが生活の場を変えることもできない。隣にクマがいるかも、と意識を変えることが事故防止につながる」と。

  ◇     ◇     ◇

 この記事は十六日夕に放送した富山テレビ放送「中島流!深掘りTOYAMA」との連動企画です。中島流の次回は二十三日のライブBBT午後六時台に放送します。(放送日は変更になることもあります)

 

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