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深掘りTOYAMA(BBT連動企画)

快適 和紙布シューズ 創業128年の技、軽量で水にも強く

上市・細川機業

 手に触れた感触が味わい深い和紙。それを材料にしたシューズが、履き心地の良さで注目されている。富山県上市町の織物製造、細川機業(細川泰郎社長)が昨年、国内で初めて商品化した。和紙と言ってもある程度加工して織物にした「和紙布」で作るシューズだが、和紙ならではの機能性に国内外で評価が拡大中という。それにしても、なぜ和紙なのか。製造の現場を訪ねてみると…。(中島健二)

和紙からできた布を使ったスリッポンを紹介する細川常務=富山県上市町の細川機業で

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 創業百二十八年の細川機業。風格ある本社に入るとオシャレなシューズが並べられていた。ひもがなく滑り込ませるだけで履けるスリッポン。手に取ると、その軽さに驚くが、着用すると足の上げやすさでさらに軽量を実感できる。「和紙のシューズ。厳密には和紙で作った糸で作った生地を使っています」。出迎えた同社の細川浩太郎常務が製法を説明してくれた。

 原料は「マニラ麻」。熱帯に育つ植物で、この葉をすいて和紙にしたものを数ミリ単位のテープ状に裁断し、撚(よ)りをかけて和紙糸にする。これに再生ポリエステルの糸を幾分混ぜながら織り上げるとシューズ用の和紙布になる。

 「マニラ麻の繊維は強いし、細かい穴もたくさん開いているから軽く、通気性や吸湿速乾性も高い」と細川常務。五年ほど前、シューズ向け和紙布の製法を開発したITOI生活文化研究所(大阪府)から依頼を受けて量産態勢を確立、その機能性に自信を深めた結果、靴製造業の委託先も確保して昨年四月、「ORIGAMIX」の自社ブランドとして商品化に乗り出した。

 基本タイプで一足一万二千円と安くはないが、主にインターネット通販でリピーターが続出している。細川常務によると、軽量さが高齢者にも受けており、他の機能性も「特にはだしで履いてもらえれば、その快適さを感じてもらえる」。水に強く、雨にぬれても問題ないどころか早く乾くそうだ。

 環境負荷の少なさから欧州の靴メーカーが早くから注目し、ドイツ、イタリアの業者が細川機業の和紙布で既に生産を軌道に乗せている。最近では国内靴メーカー数社も和紙布の使用に乗り出したという。

 これまで多彩な素材を手掛けてきた同社。和紙布は蓄積された技術を存分に生かした結果であり、今月に入って新モデルのシューズも発売した。細川常務は環境面での意義も注視しながら「まだまだ認知度は低いが、和紙布素材がシューズ素材の一つの定番になればいい。靴以外のものにもチャレンジしたい」と期待を込めている。

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 この記事は九日夕に放送した富山テレビ放送「中島流!深掘りTOYAMA」との連動企画です。中島流の次回は十六日のライブBBT午後六時台に放送します。(放送日は変更になることもあります)

 

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