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深掘りTOYAMA(BBT連動企画)

「地域おこし企業人」奮闘 泊漁協の特産品 発信

泊漁協と新たな特産品の販売戦略について意見を交わす地域おこし企業人の及川由香子さん(右)=富山県朝日町東草野公民館で

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雇用創出にも今後挑戦

 大都市圏の民間ビジネスノウハウで地域の魅力向上を図る総務省の「地域おこし企業人」交流プログラムで、神奈川県の企業から富山県朝日町に派遣された及川由香子さん(39)が同町の泊漁協と地元海産物を使った商品開発や通販展開に取り組んでいる。広告やウェブサイト制作の自社で培ったセンスを生かして生み出す商品は魅力的。町の期待が集まる及川さんらの挑戦を追った。(中島健二)

 富山湾に臨む朝日町東草野地区。泊漁協の事務所も入る地区公民館に九月の初め、及川さんと漁協関係者が集まっていた。泊漁協でも水揚げするズワイガニの特産化を協議するため。どのような状態で発送するのか、値段はどうするかに知恵を絞り合った。

 「うちの漁協の売りにしたいのはオーダー販売。冷凍ものは使いたくない」と切り出したのは組合長の脇山正美さん(58)。マイナス六〇度を維持する高性能冷蔵庫を使った商品化の手法も検討される中、及川さんがパソコンを使いながら出席者の声をまとめていく。その上で、通販サイトのレイアウトなども提案…。

 及川さんは神奈川県藤沢市に本社がある広告代理業マーチオークシーの社員。同社は「日本から過疎をなくす」を企業理念に掲げる。すなわち地域おこしへの貢献。総務省の交流プログラムで今年二月、朝日町と地域おこし企業人派遣協定を結んだ。

 消滅可能性都市にも挙げられた町に何が必要か。派遣された及川さんが取り組んだのが観光情報発信と特産品開発。町内の家屋に常駐しながらいくつものイベントを企画発信してきた。さらに手掛けたのが、県内の漁協で最も規模の小さい泊漁協への協力だった。

既に人気商品となった泊漁協の「モゾコ」(右)と新たな特産品の「ホタルイカの薫製」

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 きっかけは、町沿岸で採れる海藻の「モゾコ」。町内やその近隣で流通するだけだったが、試食したところ「太くてぬめりが強く歯応えが心地よい。モズクと見た目が似ているが全然違う」と及川さん。今夏、インターネット販売に乗り出したところ人気商品となった。

 特産品開発は二十年近く前から組合長を務める脇山さんも考えていた。「高齢化と後継者不足に悩む漁協を持続可能にするためには不可欠。でも自分たちには販売のノウハウがない」。そこに手を差し伸べたのがマーチオークシーだ。

 最近はホタルイカの薫製も商品化し、カニやイクラにも取り組む及川さんは今後、雇用創出にも挑戦するという。「環境や地域の魅力は移住定住には重要だけど仕事がなければ難しい。求人でのお手伝いが次のステップ」。朝日町のために先を見据えている。

  ◇     ◇     ◇ 

 この記事は二十五日夕に放送した富山テレビ放送「中島流!深掘りTOYAMA」との連動企画です。中島流の次回は十月二日のライブBBT午後六時台に放送します。(放送日は変更になることもあります)

【メモ】地域おこし企業人=正式名称は総務省「地域おこし企業人交流プログラム」で地域おこし協力隊の企業版。過疎地に三大都市圏の企業が社員を最長3年間派遣し、民間のノウハウ、都会のセンス、人脈を使って地域振興を促す。人件費、活動費の一部が特別交付税で措置される。

 

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