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深掘りTOYAMA(BBT連動企画)

病院と自宅 つなぐ場に がん学ぶ拠点 砺波の実家に 河原ノリエさん

実家で開いた交流会で、がんと地域のかかわりを語る河原ノリエさん=砺波市庄川町金屋で

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中国でも啓発尽力

 空き家となっていた砺波市庄川町の実家を開放して、がんを学び、地域でがんを考える拠点づくりに乗り出した河原ノリエさん(57)。東京大大学院の特任講師として、がんの啓発などに力を尽くし、国際的な橋渡しにも活躍している。今や2人に1人がかかるとも言われ、地域で対策に取り組むことは避けられないとも言われるがん。どう受け止め、何をやることが求められるのか。

 河原さんの人生の転機となった、二〇〇四年の亡き父の足跡を追う中国訪問。その途中、南京で会った高齢の女性は日本との戦争で親を殺され自分も襲われたというが、言葉をかけた河原さんに「あなたが何でもいいから日本と中国の間がよくなることを見つけたら、私たち家族の暗い歴史を忘れる」と語ったという。

 これを機に「中国と日本の懸け橋になれることを探そうという気持ちが動いていった」と河原さん。考えたのは「その人の生きた歴史をそのまま背負い込む、いのちの悲しみが染み込んだ病」であるがんへの取り組みだった。中国の農村地帯などでは当時、がんになったら治療費が払えず、寝るしかない状態。がんの知識も情報もない。そこに「中国とのがんでの連携が日本にも役立つ」と。

 四月末に実家で開いた交流会で、地元の人たちを前に河原さんはがんをこう解説した。「がんの一番の原因は老化。昔は特殊な病気だったが今は年をとればとるほどがんが増えていく。普通の病気になっている」と。その上で「抗がん剤治療を受けて家や地域で患者が過ごす時間が長くなっている。だから地域の人たちが暮らしの中でがんを考え、治していく方向に向かわなければいけないのに、動いていない」とも嘆いた。

 だから「病院と自宅をつなぐ、中間のような場所で人と人がつながりを持つことが必要」だと考え、その流れで実家を活用することになった。

 〇五年からは中国・ハルビンに通いながら、今も草の根の啓発活動を続けている。そこで作ったがん教育の教材を日本語、さらに富山弁にして紙芝居も作った。「今、子どもが地域を出て帰ってこないというが、子どもの時に地域の人とつながりがなければ、戻りたくても戻れない。地域の豊かさの中で子どもに学んでもらう」。リラの木の家と名付けた実家をその足掛かりにもする。

 

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