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女性初の立山ガイド 酒井恵さん 女性に寄り添う登山を

女性初の立山ガイドとなった酒井恵さん=立山町芦峅寺で

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 女性初の立山ガイドが誕生した。立山町千垣の酒井恵さん(33)は今秋、日本山岳ガイド協会の資格試験に合格した。立山ガイド協会は前身を含め百年近い歴史を誇るが、所属ガイドは男性だけだった。立山をこよなく愛する「立山ガール」は「魅力を紹介し、共感してもらえるのがうれしい」とほほ笑む。(山本真士)

 −兵庫出身。なぜ富山へ。

 高校生のころから趣味でスノーボードをしていたけれど、住んでいた地域は雪が少なかった。万年雪がある立山なら一年中滑れると聞き、二十一歳から立山でリゾートバイトをしながら暮らすようになった。

 −山への興味は。

 立山に来る前年、富士登山で散々な目にあった。半袖短パンという服装で、暗い時間に歩くのに懐中電灯さえ持たない不十分な装備だった。寒かったし、兵庫からの車の運転で睡眠不足。景色はきれいだったけれど、「もうこりごり。山は一生登らない」と思った。

 でも、立山でバックカントリー(スキー場外の雪山)のスキーをしたければ、自分の力で登らなきゃいけない。初めて立山を登った時、雪の上での仲間との食事やお茶が、滑ること以上に楽しかった。雪が解ける夏になると、次から次に山を登るようになった。

 −立山の魅力は。

 乗り物を乗り継げば、老若男女が標高二、四五〇メートルの世界を楽しめるところ。そこからは温泉でも登山でも好きなことができる。そして、言葉では言い表せない壮大な景色。スノーボーダーとしては、海や雲海に向かって滑り降りる時が最高に気持ち良い。天気が良い日に自宅から立山を見ると、行きたくなっちゃう。

 −なぜ立山ガイドに。

 ずっと趣味で立山を登っていたけれど、ガイドになって、大好きな立山をいろいろな人に深く知ってほしいと思うようになった。自然や信仰を知らずに見る立山と、知ってから見る立山では、ひと味違うと思う。

 知り合いだった佐伯さん(県人初のエベレスト登頂に成功した立山ガイドの佐伯知彦さん)のアシスタントをして知識を吸収したり、試験の実技を教わったりした。自分でインターネットで調べ、勉強もした。

 立山ガイドはすごい先輩ばかり。最初は自分で大丈夫かと心配だったが、今は自分しかできないことがあると考えている。例えば女性のケア。山は整った環境じゃない。困ったことが起きた時、女性のガイドには言い出しやすいことがあると思う。男性のような体の力はないけれど、知識や経験でカバーできる。

 −ガイドで生計を立てるのは大変だと聞く。

 そこは一番考えた。やってみて駄目なら(住み込みで働く)「ヤドカリ(宿借り)生活」に戻れば良い。ガイドのほかに、立山黒部アルペンルートやスキー場でも仕事をするつもり。一つに絞る必要はないし、好きなことをして暮らすことは一貫している。人生楽しんだもん勝ちだと思う。

 さかい・めぐみ 1986年9月、兵庫県伊丹市生まれ。今年10月、日本山岳ガイド協会の認定資格「登山ガイドステージ2(ローマ数字の2)」に合格した。佐伯さん運営のアウトドアコミュニティー「山賊倶楽部」や、スキー・スノーボード板の調整店「山賊チューンナップ」のスタッフとしても活動。

 

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