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ラグビーW杯日本大会しずおか

大盛況も五輪へ教訓

日本−南アフリカ戦で盛り上がるラグビーファンら=10月20日、袋井市のエコパスタジアムで

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 かつてない盛り上がりを見せ、南アフリカが優勝して幕を閉じたラグビーワールドカップ(W杯)日本大会。大会組織委員会と自治体の関係や過熱したチケット販売、商標の取り扱い…。初の八強進出を果たした日本の活躍で沸き立った裏側で、さまざまな課題が浮かんだ。大会関係者やファンからは、来夏の東京五輪・パラリンピックに向けて、W杯の教訓を生かすよう求める注文や期待の声が相次いだ。

◆地方の盛り上がり

 決勝のパブリックビューイング(PV)があった袋井市のエコパスタジアム。千四百五十人が緊迫した展開を息をのんで見守り、得点が決まると大きな歓声が湧き起こった。磐田市の会社員山本耕平さん(29)は「すっかりラグビーファンになった」と満足げだった。

 各開催都市などに設置されたファンゾーンの入場者数は百万人を超え、歴代最多を更新。浜松市中区の市ギャラリーモール・ソラモにも幅広い層のファンが詰め掛け、静岡県の担当者は「日本の活躍の後押しでラグビーの魅力を広く伝えられた」と手応えを語った。

 一方、浜松市や静岡市などの出場チームの公認キャンプ地では、事前に練習場所や日程が公表されず、自治体や市民から不満の声が上がった。南ア代表がキャンプ地にした御前崎市の塾経営増田美恵子さん(63)はW杯のボランティアを担ったが「南ア代表の来訪を知らない人も多く、地元の盛り上がりに欠けたのは残念」と惜しんだ。

 台風19号で試合が中止になった際、会場のある愛知県豊田市では地元への連絡が大会組織委などの会見とほぼ同タイミングになり、地元支援委は対応に追われた。

◆PRに工夫必要

 浜松市中心街ではにぎわいにつなげようと、飲食店四十二店で割引などの特典が付く「はままつまちなかラグビー応援プロジェクト」を実施。実行委によると、ソラモでPVがあった日は外国人を含む多くの客が飲食店を訪れ、経済的な恩恵を受けた。

 ただ「ラグビーワールドカップ」などの用語は、国際統括団体「ワールドラグビー」の関連法人が商標登録しているため、PRに使用できなかった。東京五輪組織委は大会名に加え「東京2020」「がんばれ!ニッポン!」などを商標登録。実行委の担当者は「飲食店の工夫でPRはうまくいった」とW杯を振り返り「東京五輪のキャンペーンは未定だが、実施するなら、どう打ち出すか検討する必要がある」と見据えた。

◆チケット人気

 W杯ではチケットの転売は公式サイトに限られ、それ以外で転売しようとした人物が書類送検される事態もあった。東京五輪でも同様の仕組みになる予定。愛知県一宮市の会社員木野泰久さん(60)は公式サイトで準々決勝の日本戦のチケットを狙ったが、完売で手に入らなかった。「五輪ではチケットを買えなかった人も気軽に雰囲気を感じられるようPVの場を増やしてほしい」と期待した。

◆震災被災地で

 東日本大震災の被災地で唯一の会場となった岩手県釜石市は、試合に全小中学生を招くなど町ぐるみで大会を盛り上げた。その様子を国内外のメディアが震災と絡めて大きく取り上げ、市W杯推進本部事務局の総括部長正木隆司さんは「震災の支援への感謝や復興の姿を発信できた」と振り返る。復興を掲げる東京五輪に向け「多くの市民が関わる現状を広く知ってもらえば、復興の加速にもつながるのでは」と指摘した。

 

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