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スズキ創業者を講談に 田辺一邑さんが浜松で披露

鈴木道雄の墓前で住職の薬師寺良晋さん(左)と話す講談師の田辺一邑さん=浜松市南区鼠野町の龍泉寺で

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 浜松市出身の講談師田辺一邑(いちゆう)さん(58)=埼玉県川口市=が、今年で設立百周年を迎えるスズキの創業者、鈴木道雄(一八八七〜一九八二年)の講談を創作する。夏に浜松で開く恒例の独演会で披露しようと、道雄の墓がある龍泉(りょうせん)寺(南区鼠野町)を年初に訪れ、研究を始めた。

 田辺さんは二〇〇九年に真打ちに昇進。首都圏で活動する傍ら「地元を盛り上げたい」と、郷土の人物を題材にした講談に力を入れてきた。

 「全国では有名でなくても、偉業を成し遂げた人が多い」と田辺さん。トヨタグループの祖である豊田佐吉=湖西市出身=や、ヤマハ創業者の山葉寅楠(とらくす)など、手掛けた人物は十人を超える。このうち、戦国時代の女性領主とされる井伊直虎、一九六四年の東京五輪の誘致に尽力した田畑政治は、創作後にNHK大河ドラマの主人公となった。

 鈴木道雄は「以前から候補にはあった」といい、スズキの節目に合わせて創作することにした。今月初めの帰省時に龍泉寺を訪ね、住職の薬師寺良晋(りょうしん)さん(61)の案内で道雄が寄進した観音像を見学したり、道雄の墓に手を合わせたりした。薬師寺さんが「道雄さんは義太夫節を披露することもあった」と明かすと、田辺さんは「文化にも関心があったんですね」と感心していた。

 今後は図書館などで資料を集め、スズキ歴史館の見学も計画。四月ごろから創作に本腰を入れる予定だ。田辺さんは「大工の経験や母親への思いは佐吉と似ている」と道雄の印象を語り、「顧客の要望に応えて多くの発明をしたことを盛り込みたい」と意気込む。

(山田晃史)

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 鈴木道雄 1887年、芳川村(現浜松市南区)生まれ。1909年に鈴木式織機製作所を個人で創業。20年に鈴木式織機株式会社(現スズキ)を設立した。力織機の改良に努め、取得した特許や実用新案は100を超える。二輪車、四輪車の製造にも道筋を付けた。82年、95歳で死去。

 

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