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JR、林道改良に着手 県との協議は膠着続く

◆社長「一つのステップ」

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 リニア中央新幹線の南アルプストンネル(静岡市葵区)工事に向け、JR東海は四日、現地で工事車両が通行する林道東俣線の改良工事に着手した。金子慎社長は大阪市内であった定例会見で「一つのステップが進んだ」と述べた。トンネル本体の工事に向けた準備工事と位置付けるが、県とJRの協議は膠着(こうちゃく)状態が続き、本体着工の見通しは立っていない。

 林道東俣線は県最北端にある静岡市井川地区の沼平と二軒小屋を結ぶ全長二七・三キロ。管理する市との合意に基づき、JRが総工費八十億円を全額負担し、二〇二三年三月までに舗装や拡張工事などをする。

 金子社長は「台風被害で予定より少し遅れたが、着手できて良かった。トンネル工事を安全に進める目的のほか、完成後も、地元や南アルプスを観光で訪れる方の役に立つように整備する」と語った。

 十月中旬の台風19号で路肩の崩落や土砂崩れなどが発生し、市が三日までに仮復旧工事を済ませた。川勝平太知事は三日の会見で、台風19号の影響により「少なくとも一年は(本体工事の)工期は延びる」との見解を示した。

 金子社長は、知事の発言に言及し「四年の工期の中でリカバリーしたい」と述べた。

 今回の着工を受け、川勝知事は本紙の取材に「東俣線は非常に危険な道。作業員にとって安全な道になるようによろしくお願い申し上げたい」と述べ、着工を前向きに評価した。

 島田市の染谷絹代市長は「本体工事が進んだとは全く考えていない。引き続き八市二町で大井川の水問題を訴えていく」、牧之原市の杉本基久雄市長は「本体工事に向け、なし崩し的に一つ一つ進めていこうとする意図が感じられる」とJRに警戒感を示した。

 東俣線の整備は、井川地区にとって半世紀以上前からの悲願。JRと県の協議が難航する中、静岡市は独自にJRと交渉し、JRの全額負担や、工事後は生活道路として地元に引き渡すことで七月に合意した。田辺信宏市長は「作業員の安全を確保できるように進めてもらいたい」と話した。

(考えるリニア着工取材班)

 

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